タミル・ナドゥ州首相、チェンナイ新空港の現予定地での建設計画中止を表明

(インド)

チェンナイ発

2026年08月27日

インド南部タミル・ナドゥ(TN)州のジョセフ・C・ビジャイ州首相は8月24日、州都チェンナイ近郊のパランドゥールで予定されている新空港建設計画(2022年8月17日記事参照)を中止する、と州議会で表明した。ビジャイ氏は、新空港建設自体には賛成の立場だが、建設用地の水域や生態系の破壊には反対しており、選挙公約にも用地の移転を掲げていた(2026年5月14日記事参照)。

既存のチェンナイ空港は貨物輸送需要の高まりなどで混雑しているが、都市部に近いことから大規模な拡張は難しい。現在も第3ターミナル建設工事を行っているが、完成しても2032年までには再び飽和状態になると予測されている(「ヒンドゥー」紙6月10日)。TN州前政権は、電子機器や自動車などの産業が集積するチェンナイ西部の工業団地に近いパランドゥール周辺に5,746エーカー(約2,325万平方メートル)の用地を取得し、すでにプロジェクトは中央政府から承認されていた。

産業界からも引き続き、「長期的な経済成長を維持し、将来の投資を呼び込むためには、第2の空港が必要だ」として新空港開発の加速化が要望されている。チェンナイ空港はかつてインド国内3位の過密空港だったが、今やベンガルールやハイデラバードの後塵(こうじん)を拝しており、南インド各都市と比べたプレゼンス低下は都市としても大きな課題だ。

州政府は代替空港建設までの期間を乗り切るため、既存空港に第5ターミナルを新設すると発表したほか、代替地での新空港計画を近日中に発表するとしている。チェンナイ郊外から新空港へのメトロ延伸などのインフラ整備も計画されていた中、建設予定地周辺の企業活動への影響のみならず、チェンナイ経済圏の航空インフラ政策の在り方、ひいては都市をどのように発展させるか、就任100日を過ぎたビジャイ新政権のかじ取りが問われる。

(田村健)

(インド)

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