ラオス電力公社、住宅太陽光発電の余剰電力買い取り制度導入について説明

(ラオス)

ビエンチャン発

2026年09月11日

ラオス商工省は9月3日、首都ビエンチャンで「ラオス・クリーンエナジー・デー2026」を開催した。イベントでは、電源開発の現状、国家電力開発戦略の改定、独立系発電事業者の開発案件、住宅用の屋根置き太陽光発電に関する余剰電力買い取り制度などについて説明があった。

商工省によると、国内の発電所は2026年5月時点で136カ所、設備容量は合計1万5,361メガワット(MW)。内訳は水力1万661MW(69.4%)、石炭火力1,878MW(12.2%)、風力1,500MW(9.8%)、太陽光1,279MW(8.3%)、バイオマス43MW(0.3%)だった。また、設備容量のうち、輸出向けは1万244MWで全体の67%を占め、残る国内向けは5,117MWだった(注1)。

水力以外の再生可能エネルギーも拡大している。600MWのモンスーン風力発電所は2025年8月に商業運転を開始し、電力をベトナムに輸出している(2025年9月4日記事参照)。北部ウドムサイ県の1,000MWの太陽光発電所(2025年3月5日記事参照)も2026年4月に系統接続し、運転を開始した。2035年までに、風力は5,100MW、太陽光は4,000MWに拡大する見通しだ。

イベントでは、ラオス電力公社(EDL)が導入した住宅用屋根置き太陽光発電制度について同公社から詳細な説明があった。住宅で発電した電力を自家消費し、余剰分をEDLが買い取る仕組みで、電力供給コストを抑え、乾期の輸入依存を軽減する狙いだ。ラオスでは国内の電力需要が増加する一方、乾期には水量の減少で水力発電所の出力が低下するため、不足分を輸入電力で補っている。

また、一般家庭向けの小売り電気料金は1キロワット時(kWh)当たり平均約6.7セント(約10.6円、1セント=約1.59円)とされ、EDLの平均供給コストである約10.2セントを下回る。この差がEDLの経営上の負担となっている。このため、EDLは住宅用太陽光発電設備の余剰電力を、1kWh当たり922キープ(約4.1セント)で買い取る制度を開始した(注2)。

制度の普及に向けては、住宅側の初期投資負担、買い取り価格の先行きに対する不透明感、売電申請手続きの煩雑さなどが課題として挙げられた。EDL側では、太陽光発電の急速な導入に伴う電力系統の安定性確保、スマートメーターなどのインフラ不足、電力販売収入の減少、関連規則や導入資金の不足などが課題とされた。

なお、工場などの屋根を活用した中・大規模の屋根置き太陽光発電については、制度導入に向けた検討が続いており、今後は系統の安定性を確保しながら、産業用を含む普及を進められるかが焦点となる。

写真 ラオス・クリーンエナジー・デー2026の様子(ジェトロ撮影)

ラオス・クリーンエナジー・デー2026の様子(ジェトロ撮影)

(注1)商工省によると、国内向け設備容量のうち、水力や太陽光などのクリーンエネルギーが95%を占める。

(注2)2026年4月27日付「住宅用屋根置き太陽光発電による電力買い取りに関する告示」(No.1625/EDL)に基づく。住宅1戸当たりの系統接続容量の上限は、単相メーターの場合が5キロワット(kW)、3相メーターの場合が10kW。また、0.4キロボルト(kV)配電網、配電用変圧器、22kVフィーダーの各系統に接続する太陽光発電設備の合計容量は、それぞれの許容容量の60%を超えてはならない。

(山田健一郎)

(ラオス)

ビジネス短信 5d6f6237d337435b