ブラジル南部で「スタートアップサミット」開催、来場者は1万人超
(ブラジル、日本)
サンパウロ発
2026年09月04日
中南米最大級のスタートアップ関連イベント「スタートアップサミット2026」が8月26~28日、ブラジル南部のサンタカタリーナ州の州都フロリアノポリス市で開催された。同イベントは、ブラジル零細・小企業支援サービス(SEBRAE、注1)とサンタカタリーナ州技術協会(ACATE、注2)が2018年から共催しており、今回で9回目の開催。
主催者の発表によると、来場者は1万1,000人を超え、スタートアップ3,000社、投資ファンド・ベンチャーキャピタル150機関が参加した。主催者発表によると、会場では283人の登壇者による講演が行われた。また、会期中に創出された投資意向額は最大3億9,550万レアル(約123億円、1レアル=約31円)に上る見通し。登壇者には、小売り大手マガジン・ルイーザのルイーザ・エレナ・トラジャノ取締役会長や、ナビゲーションアプリ「Waze」共同創業者のウリ・レビン氏らが名を連ねた。また、本イベントに先立つ8月25日には、世界的なピッチコンテスト「スタートアップ・ワールドカップ」のブラジル予選も同市で初めて開催された。
講演するマガジン・ルイーザのルイーザ・エレナ・トラジャノ取締役会長(ジェトロ撮影)
今回は、「国際化」が重点テーマの1つとされ、日本、カナダ、エストニア、ベルギー、ポルトガルを含む30を超える国・地域からの外国代表団が参加した。ジェトロも、国際展示エリア「スタートアップサミット・グローバル」に日本ブースを初めて出展し、日本企業と海外企業の協業を促進するオープンイノベーション創出支援プラットフォームの「J-Bridge」や、海外スタートアップのブラジル事業展開を支援するプログラム「ScaleUp inBrazil」(2026年8月27日記事参照)の広報活動を実施した。
開催地フロリアノポリス市を擁するサンタカタリーナ州は、ブラジル有数のテクノロジー集積地として存在感を高めている。会期中の8月27日、公共リーダーシップセンター(CLP、注3)が第15回「州競争力ランキング」を発表し、同州が初めて全国首位となった。過去14回の調査すべてで首位だったサンパウロ州は2位に後退した。8月27日付現地メディア「NDマイス」によると、同州は評価対象10分野のうち人的資本、市場潜在力、治安、社会的持続可能性の4分野で全国1位となったほか、全10分野で5位以内に入った。
(注1)SEBRAE(ブラジル零細・小企業支援サービス)は、1972年設立の非営利民間機関で、研修の提供、金融アクセスの支援、見本市・商談会の開催などを通じて全国の零細・小企業の振興を担う。本イベントはスタートアップ支援部門Sebrae Startupsが主催している。
(注2)ACATE(サンタカタリーナ州技術協会)は、1986年にフロリアノポリス市で設立された技術産業団体で、加盟企業は1,700社超。市内で複数のイノベーションセンターを運営するほか、スタートアップと大企業の協業を仲介するオープンイノベーションプログラム「LinkLab」やインキュベーター「MIDITEC」などを展開し、フロリアノポリス市のスタートアップ・エコシステムのハブとして機能している。ブラジルスタートアップ協会(ABStartups)主催のスタートアップ・アワーズでは、ブラジル最優秀イノベーションハブに複数回選出された。
(注3)CLP(公共リーダーシップセンター)は、サンパウロ州に拠点を置く超党派の非営利団体で、公共部門のリーダー育成や公共政策の改善に取り組む。州競争力ランキングはコンサルティング会社テンデンシアスと共同で毎年作成され、100の指標を人的資本、治安、インフラなど10分野に分類し、全26州と連邦直轄区の計27の連邦構成単位を評価するもの。
(中山貴弘)
(ブラジル、日本)
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