欧州繊維業界、EUにウルトラファストファッション輸入への対策強化を要請
(EU、フランス)
ブリュッセル発
2026年09月07日
欧州繊維産業連盟(EURATEX)は9月1日、フランスの会員2団体と共同声明
を発表し、ウルトラファストファッションの輸入増加への対策として、EU共通で小包1個当たり約10ユーロの取扱手数料を導入するよう要請した(プレスリリース
)。
EUでは近年、中国発のプラットフォームのシーイン(Shein)やテム(Temu)などで販売された製品の輸入が急増し、EU基準を満たさない製品の流入や域内企業との不公正な競争が問題視されている(2025年9月24日記事参照)。これを受けEUでは、これまで関税が免除されていた150ユーロ未満の少額小包に対し、2026年7月1日から1品目につき3ユーロの関税を賦課することとし、EU理事会(閣僚理事会)では2026年内の取扱手数料の導入について審議中だ(2025年12月17日記事参照)。
3団体は、取扱手数料の額は通関や製品の安全性の分析などに必要なコストに見合う水準であるべきとして、現在議論されている1個当たり2~4ユーロでは不十分と主張。約10ユーロを目安に、必要経費を十分に反映した水準に設定すべきと述べた。手数料徴収で得られた歳入は税関検査、市場監視、製品リスク管理体制の強化に活用し、使途を限定しない普通税やサステナビリティー関連の負担金として徴収すべきではないとした。
同時に、長期的な解決策として、(1)関連法令の実効的な執行、(2)域外国プラットフォームの責任明確化、(3)公正な競争環境の確保が不可欠と指摘した。
まず、プラットフォームが少額小包への対策強化を受け、バルク輸送やEU域内の倉庫・フィルメントセンターの活用に切り替えるといった規制の抜け穴をふさぐことや、税関当局が綿密にBtoBおよびBtoC双方の取引情報を収集可能とし、関連法令を厳格に執行する必要性を指摘した。
次に、プラットフォームを「みなし輸入事業者」として、通関手続きに関する責任を負う仕組みを早期に整え、かつ製品の安全性やデジタル関連などの規制の整合性を確保し、プラットフォーム事業者の責任範囲を明確化するよう要請した。
さらに、域内企業は社会、環境、安全面で世界でも厳しい規制を順守しているとし、輸入品への監視を強化するとともに、域内企業のコンプライアンス順守に伴う負担軽減など、競争力強化にも取り組むよう要請した。
(滝澤祥子)
(EU、フランス)
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