東方経済フォーラム、輸送・インフラ分野などで328件の協力文書締結
(ロシア、インドネシア、モンゴル、ミャンマー、中国)
調査部欧州課
2026年09月14日
ロシアのウラジオストクで9月1~4日に第11回東方経済フォーラムが開催された。主催者の発表(9月4日)によると、フォーラムにはロシア含む78カ国から9,300人以上が参加し、期間中には、商業機密に関する案件を除き、328件、総事業規模にして6兆8,147億ルーブル(12兆2,665億円、1ルーブル=約1.8円)の協力文書が締結された。前回(2025年9月10日記事参照)と比較すると件数は30件減少したが、金額は2,327億ルーブル増加した。
主要大型案件は、次のとおり。
- サハ共和国(ヤクーチヤ)、極東・北極圏発展公社、サハ共和国発展公社が、中国と同共和国を結ぶ国際輸送回廊プロジェクト「漠河-ナイバ」プロジェクトの実施のための協力に関する合意書に署名。投資見込み額は1兆1,300億ルーブル超。
- 極東・北極圏発展公社など3社が、北極圏と北極横断輸送回廊に関係するインフラ事業実施のため1兆ルーブル規模の投資枠組みを形成することで合意。
- ロシア国営原子力会社ロスアトムと極東・北極圏発展公社が、北極圏および北極横断輸送回廊の輸送インフラ整備の協力に関する合意書を締結。砕氷船・輸送モデルの構築、北極海航路の開発など、複数のインフラ案件を対象とする包括的な枠組み。合意した投資額は7,243億ルーブル。
極東・北極圏発展公社はこのほか、ベトナム系企業のゼレナヤ・アウラと木炭製品工場の建設(投資額:2億3,050万ルーブル)、中国の康吉国際投資と製造業向け人型ロボット生産のためのハイテクパークの設立(同30億ルーブル)など、複数の「友好国」企業と投資誘致に関する覚書を締結した。
3日の全体会合には、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領のほか、インドネシアのプラボウォ・スビアント大統領(2026年9月9日記事参照)、モンゴルのニャムオソル・オチラル首相、ミャンマーのニョー・ソー副大統領、中国の丁薛祥国務院副総理が参加した。
プーチン大統領は全体会合の演説の中で、2027年1月から極東・北極圏全域を対象とする統一的な投資優遇制度を導入する方針を示し、政府に制度整備を求めた。また、2036年までの新たな極東開発戦略を策定する考えを表明し、投資を拡大すべき対象として、(1)国内やアジア地域全体における需要拡大を見据えた、産業、インフラ、観光、クリエーティブ分野などのプロジェクト、(2)デジタル経済やプラットフォーム経済のインフラ整備に加え、人工知能(AI)、バイオテクノロジー、新エネルギーなどの分野での技術導入と革新的な企業へのファイナンス、(3)教育、医療、文化・スポーツのインフラ、マスタープランに基づく都市や農村地域の発展を挙げた。
(森友梨)
(ロシア、インドネシア、モンゴル、ミャンマー、中国)
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