政策金利を23.0%に再設定、金融政策運営を見直し
(ナイジェリア)
ラゴス発
2026年09月25日
ナイジェリア中央銀行(CBN)は、9月21~22日に金融政策委員会(MPC)を開催し、政策金利(MPR)を従来の26.5%から23.0%へ再設定するとともに、政策金利コリドーを再調整した(2026年7月24日記事参照)。CBNは今回の決定について、金融緩和への転換ではなく、市場実勢金利との乖離を縮小し、金融政策の波及効果を高めるための制度的・運営上の見直しであると説明した。
決定内容は次のとおり。
- 政策金利(MPR)を23.0%に再設定
- コリドーの上限と下限を+50/-300ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)へ再調整
- 預金準備率(CRR)を商業銀行は45%、マーチャントバンク(国際金融業者)は16%、単一国庫勘定(TSA)対象外の公的部門預金は75%に据え置き
CBNは今回の決定にあたり、2026年4月に導入した翌日物指標金利であるNOFR(ナイジェリア翌日物資金調達金利)を活用し、市場金利と政策金利との整合性向上を図る方針を示した(注1)。
インフレ率は引き続き低下傾向にある。2026年8月の総合インフレ率は15.39%となり、前月の15.43%から低下した。食品インフレ率は20.31%から19.57%へ、コアインフレ率も14.97%から13.29%へ低下した。また、12カ月移動平均インフレ率は20カ月連続で低下しており、CBNは、これまでの金融引き締め措置や為替相場の安定などがインフレ率低下に寄与しているとの見方を示した。
経済成長も堅調に推移している。2026年第2四半期の実質GDP成長率は4.43%となり、第1四半期の3.89%から加速した。情報通信技術(ICT)、農業、不動産、金融サービスなどの非石油部門の成長率が前期の3.94%から4.31%となり、引き続き成長を牽引したほか、石油部門も原油生産の増加や投資拡大に支えられ、前期の成長率2.57%から7.31%と大きく伸びた。
2026年9月18日時点の外貨準備高は552億5,000万ドルと過去18年間で最高水準に達し、輸入の約11.3カ月分を賄える規模となった。また、2026年第2四半期の国際収支黒字は35億1,000万ドル、経常収支黒字は75億4,000万ドルとなり、ともに前期から増加した。
一方でCBNは、中東地域を巡る地政学的リスクは引き続き国際原油価格やインフレの上振れ要因となる可能性があるほか、2027年大統領選挙(2026年7月23日記事参照)を控えた選挙関連支出の増加も中長期的なインフレリスクとして言及した。
CBNは、原油生産の回復、農業生産の拡大、購買担当者景気指数(PMI、注2)が7月の51.1から8月の52.7へ上昇したことなどを背景に、2026年後半も経済成長は堅調さを維持すると予想している。また、為替市場の安定や収穫期による食料供給増加を受け、インフレ率は今後さらに低下するとの見通しを示した。
次回のMPCは、2026年11月23日および24日に開催の予定。
(注1)NOFRは、銀行間市場で実際に成立した翌日物取引を基に算出される市場実勢金利で、日本のTONA(無担保コール翌日物金利)や米国のSOFR(担保付翌日物資金調達金利)に類似する指標。
(注2)CBNのPMIは、ナイジェリアの約1,900社の購買・調達担当者への月次調査に基づき、企業活動が前月と比べて拡大しているか縮小しているかを示す景況感指数。50超は拡大、50未満は縮小を意味する。
(奥貴史)
(ナイジェリア)
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