政策金利を26.5%に据え置き、中東情勢を見据え慎重姿勢を維持
(ナイジェリア)
ラゴス発
2026年07月24日
ナイジェリア中央銀行(CBN)は、7月20日、21日に金融政策委員会(MPC)を開催し、政策金利(MPR)を26.5%で据え置き、2026年5月の決定を維持した(2026年5月25日記事参照)。2026年6月の総合インフレ率はわずかに低下したものの、中東情勢による世界経済の不確実性の高まりを踏まえ、慎重な金融政策姿勢を維持することが適切であるとの判断を示した。決定内容は次のとおり。
- 政策金利を26.5%で据え置き
- コリドーの上限と下限を+50/-450ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)のまま維持
- 預金準備率(CRR)を商業銀行は45%、マーチャントバンク(国際金融業者)は16%、政府関連の公的部門預金は75%に据え置き
CBNが7月21日に発表した統計値によると、2026年6月の消費者物価上昇率(総合インフレ率)は15.91%(前年同月比)となり、同年5月の15.93%からわずかに低下した。これにより同年3月から5月まで続いた上昇傾向が終了した。また、購買担当者景気指数(PMI、注)は5月の49.6から6月には50.1へと上昇した。外貨準備高は、原油関連税収や民間などからの資金流入を背景に、2026年7月17日時点の外貨準備高は525億2,000万ドルと増加している。財・サービス輸入のおよそ11カ月分に相当し、国際的な目安である3カ月分を大きく上回る。これらの指標から、CBNのオラエミ・カルドソ総裁は、ナイジェリア経済は依然として外部ショックに対しておおむね強靭(きょうじん)性を維持しており、その背景には財政当局および金融当局が実施してきた改革の成果があると述べた。
経済成長率をみると、2026年第1四半期の実質GDP成長率は3.89%となり、前四半期の4.07%から減速したが、通信、金融サービス、商業、運輸、その他サービス業は好調であったとした。石油部門の成長率は、2025年第4四半期の6.79%から、2026年第1四半期は2.57%へ減速したが、これは油田設備の保守作業によるものであるとCBNは言及した(2026年3月25日記事参照)。
CBNは、原油生産の回復、PMIの改善、経済改革の効果に支えられ、2026年の経済成長は堅調を維持すると見込んでいる。一方、インフレは、為替の安定や過去の金融引き締めの効果、収穫期到来による食料供給の改善などから低下すると予想。ただし、中東情勢は最大のリスクであり、物価と金融システムの安定を最優先の政策運営とする方針から、今回は、引き続き慎重な金融政策を維持する姿勢を示した。
次回のMPCは、2026年9月21日および22日に開催の予定。
(注)CBNのPMIは、ナイジェリアの約1,900社の購買・調達担当者への月次調査に基づき、企業活動が前月と比べて拡大しているか縮小しているかを示す景況感指数。50超は拡大、50未満は縮小を意味する。
(奥貴史)
(ナイジェリア)
ビジネス短信 c5bf19f412cc50a1





閉じる