エクアドルのノボア大統領が訪中、中国側は中南米諸国の独立自主堅持や協力パートナーの自主的選択を支持
(中国、エクアドル、中南米)
北京発
2026年08月25日
エクアドルのダニエル・ノボア大統領が8月16~23日に中国を公式訪問し、8月18日には習近平国家主席と、同19日には李強首相と会談した。
習国家主席は、中国とエクアドル両国が政治的な相互信頼を強固にし、双方の核心的利益や重大な関心事項について引き続き相互に理解し支持することが必要だと強調した。
経済面では、中国エクアドル自由貿易協定(FTA、注1)の活用や、一帯一路共同建設の実施、エネルギー・鉱物資源・インフラ建設・金融などにおける協力プロジェクトの実施、デジタル経済・グリーン発展・新エネルギー・人工知能(AI)などの分野での協力の模索などに言及した。中国外交部の発表によると、ノボア大統領は経済貿易・金融・鉱物資源・再生可能エネルギー・テクノロジーなどの分野での互恵的な協力の強化、対中輸出の拡大、より多くの中国企業のエクアドル投資に対する歓迎などを表明した。
また、中南米・カリブ海地域の情勢についても意見交換した。習国家主席は、同地域の平和地帯としての地位は揺らぐべきではなく、同地域の国々の発展の道のりが絶たれるべきではなく、同地域の国々が自主的に協力パートナーを選択する権利が干渉を受けてはならないことを強調し、中国は同地域の国々が独立自主を堅持し、自国の利益に基づく対外協力を実施し、地域の平和と安定を維持することを支持すると表明した。李強首相も、現在中南米・カリブ海地域の情勢は複雑で変化が大きいが、中国は常に同地域の国にとって信頼できる協力パートナーであることを希望しており、エクアドルと協力して、中国と同地域の協力を深化させ、中国・中南米運命共同体の建設を進めたいと表明した。
相手国に対する差別的措置の禁止、第三国の措置に関する情報交換で合意
中国の商務部報道官は8月20日、両国首脳の立ち会いの下で、中国商務部とエクアドルの経済生産開発省が8月18日、「中国とエクアドルの経済貿易協力ロードマップ」および「自由貿易および多国間主義の支持に関する覚書(MOU)」に署名したと発表した。商務部によると、両省は、経済貿易に関する協調メカニズムの強化や貿易投資、農業・食品、電子商取引(EC)、持続可能な発展の分野での協力を確認したほか、FTAの実施、相手国に対して不当で差別的な経済貿易上の措置を取らないこと、第三国の貿易措置に関する意思疎通や情報交換の継続(注2)に同意したとしている。
(注1)中国とエクアドルのFTAは2023年5月に署名され、2024年5月1日に発効した(2023年5月15日記事参照)。中国商務部によると、2026年上半期の中国とエクアドルの貿易額は98億3,000万ドルとなり、中国はエクアドルにとって第2位の貿易相手国となっている。
(注2)第三国の貿易措置に関する意思疎通や情報交換については、カンボジアのチャム・ニモル商業相が7月に中国の王文涛商務部長と署名した「第三国の貿易措置を背景とする協力強化と相互理解に関する覚書(MOU)」にも盛り込まれた。なお、その際に、カンボジア側は、同国と第三国との貿易措置は、同国が中国と締結したいかなる協定にも影響を与えるものではなく、中国の利益を損なうものでもないと表明したほか、同国は中国を対象または実質的に対象とする、中国とASEANの経済貿易協力を妨げる差別的措置を導入・実施することはないと表明したとしている(2026年8月5日記事参照)。
(小宮昇平)
(中国、エクアドル、中南米)
ビジネス短信 fdc937293ed99adc





閉じる