タイ商務省、301条関税を巡り、米国と協議

(タイ、米国)

バンコク発

2026年08月03日

タイ商務省は7月20日、スパジー・スタムパン副首相兼商務相が7月15~16日に米国ワシントンDCを訪れ、1974年通商法301条に基づく調査の進捗確認やタイ・米国相互貿易協定(ART)の交渉加速化などを目的に、米国政府高官と協議したと発表した。

スパジー副首相は、スージー・ワイルズ大統領首席補佐官とハワード・ラトニック商務長官、リック・スウィッツァー米国通商代表部(USTR)次席代表とそれぞれ面談した。米国では、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく相互関税の停止後、1974年通商法122条に基づき10%の追加関税が全ての輸入に賦課されていたが、同追加関税は7月24日に期限を迎えた(2026年2月24日記事参照)。期限後の導入が予期される301条に基づく措置を回避・軽減するため、タイ政府は強制労働や過剰供給に関する疑いへの反論を行ってきた(2026年5月7日記事参照)。

タイ商務省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、米国政府は301条調査の結果を精査中(注)であり、過剰供給については、ARTを有さない、または順守できない国・地域には高い関税率を発表する可能性があるとの見方を示した。専門家は、301条関税として、タイは最大25%の追加関税に直面するリスクがあると警告している(「ネーション」紙7月23日付)。

ARTの交渉状況について、スパジー副首相は、一部の問題は解決が難しく時間を要するものの、タイが適切かつ競争力のある関税率を受けられるよう、全力を尽くすとしている。米国側は、各課題に関するタイの最新の提案を検討する意向を示したという。

タイ政府は6月23日、強制労働上のリスクのある輸入品に関する基準設定委員会の設置を承認した。同委員会は、リスクへの対処措置やガイドラインの策定のほか、監視リストの提案を内閣に対して行う予定だ。経済紙「ターン・セータギット」(7月20日付)は、水産・食品(加工)業や労働集約型産業、外国人労働者を雇用する産業などに課題があるとして、トレーサビリティー向上の取り組みが重要と指摘している。

(注)301条調査の結果、強制労働に依拠する製品輸入を禁止する措置を有するか、ARTを有する国・地域には10%、それ以外には12.5%の追加関税が賦課される(2026年6月3日記事参照)。

(藪恭兵)

(タイ、米国)

ビジネス短信 f02e3056db281060