5月のインフレ率、7カ月ぶりに目標上限を上回る

(ブラジル)

サンパウロ発

2026年08月03日

ブラジル地理統計院(IBGE)は6月12日、同国の代表的な物価指数である拡大消費者物価指数(IPCA)の5月の上昇率(前月比)を0.58%と発表した(添付資料表参照)。上昇率は前月(0.67%)から減速したものの、1~5月の累計上昇率は3.20%となった。直近12カ月の上昇率は4.72%で、2025年10月以来7カ月ぶりに、インフレ目標上限(目標値3.0%、上限4.5%)を上回った(注1)。目標上限の超過は、中央銀行による政策金利(Selic)の高止まりが長期化するとの見方を強める要因となる。

前月比を費目別でみると、交通・運輸(マイナス0.46%)を除く8項目が上昇(横ばいを含む)した。中でも、飲食料品は上昇率が1.33%、寄与度0.29ポイントと最も高かった。主な内訳では、ジャガイモ(44.69%増)、トマト(20.62%増)、タマネギ(16.80%増)などの価格上昇が目立った。

住居関連も上昇率1.22%、寄与度0.18ポイントと大きく伸びた。とりわけ家庭用電力は3.67%上昇し、個別品目では最大の寄与度(0.15ポイント)となった。IBGEのジョゼ・フェルナンド・ゴンサルベスIPCA担当マネジャーは、5月に導入された電力料金の追加料金が主な押し上げ要因と指摘する。ブラジルでは、「バンデイラ・タリファリア(旗印料金)」と呼ばれる電力料金の追加制度があり、追加料金の有無は、水力発電所の貯水量や火力発電所の稼働状況に基づき決定される。国家電力庁(ANEEL)が4月24日に発表したとおり、降雨量不足により貯水量が減少したため、5月は追加料金が適用され、電力料金が上昇した(注2)。

一方、交通・運輸の低下について、ゴンサルベス氏は現地紙「バロール」(6月12日付)のインタビューで、連邦政府が3月以降に導入した燃料価格抑制に向けた補助金制度(2026年3月18日記事2026年4月16日記事参照)が主な押し下げ要因と説明した。

(注1)中銀は毎年、インフレ目標値を定めている。直近12カ月の上昇率が目標上限を6カ月連続で上回った場合、目標未達と判断される。

(注2)追加料金は「緑」「黄色」「赤1」「赤2」の4段階の色で示される。「緑」の場合には追加料金はないが、「黄色」は100キロワット時(kWh)当たり1.89レアル(約59円、1レアル=約31.2円)、「赤1」は4.46レアル、「赤2」は7.88レアルが追加で徴収される。4月は「緑」だったが、5月には「黄色」の追加料金が設定された。

(エルナニ・オダ)

(ブラジル)

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