JBIC、米テキサス州の天然ガス火力発電プロジェクト向け融資を実施

(米国、日本)

ヒューストン発

2026年08月27日

国際協力銀行(JBIC)は8月14日、同行が出資、設立した米国法人Japan Invest 5(JI5)との間で、米テキサス州の天然ガス火力発電プロジェクト向け貸付契約を締結したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。本件は、2025年9月の日米両政府の了解覚書に基づき創設された戦略的投資イニシアチブ(SII、経済安全保障上重要な分野への対米投資を推進する枠組み)の下で実施される(2025年9月9日記事参照)。

JBICの発表によると、融資額は約7億3,900万ドルを限度とし、シティバンク東京支店およびJPモルガン・チェース銀行東京支店との協調融資総額は約22億1,300万ドルとなる。民間金融機関による融資部分には日本貿易保険(NEXI)の保険が付される。日米両政府は2026年3月の首脳会談の際に、日米合意に基づく対米投資のプロジェクトとして、テキサス州における天然ガス火力発電施設の建設(最大160億ドル)を発表しており(2026年3月23日記事参照)、本融資は同プロジェクト向けの初回投資に対応するもの。発電した電力の供給先にはデータセンターも含まれる。

JBICは、同プロジェクトが米国内で増加する電力需要への対応に加え、人工知能(AI)・先端産業を支える電力基盤の整備や、日米の重要インフラ分野におけるサプライチェーン強靱(きょうじん)化に貢献するとしている。

なお、JBICは4月、SIIの第1陣案件として、米テキサス州沖の原油輸送積出インフラプロジェクト向けに、最大1億400万ドルの貸付契約外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを締結している。同プロジェクトは、テキサス州沖の深水域に超大型原油タンカー(VLCC)が直接係留・積載可能な原油輸出ターミナルを整備するもの。VLCCへの直接積み込みを可能にすることで、米国産原油を海外市場へ効率的に輸送し、アジア市場向け輸出の拡大を後押しする。同プロジェクトに含まれる原油輸出ターミナル事業「テキサス・ガルフリンク(Texas GulfLink)」は、テキサス州フリーポート沖約30マイル(約48キロ)に計画されており、VLCCを利用して日量最大100万バレルの原油を輸出する構想だ。総延長44マイル(約71キロ)、直径42インチ(約107センチ)のパイプラインを含む。

ところが、同事業を巡っては、米連邦第5巡回区控訴裁判所が8月12日、テキサス・ガルフリンクに発給したライセンスを無効とする判断を示した。同計画は、2028年ごろの稼働開始を予定しているが、同判決により先行きは不透明となっている。判決では、競合する深水港開発計画との区域重複を考慮すると、米海事局(MARAD)による申請区域は深水港法に適合しないと判断された。テキサス州沖では、パーミアン盆地産原油の輸出拡大を背景に複数の深水港計画が進められており、今回の訴訟では、米ミッドストリーム大手エンタープライズ・プロダクツ・パートナーズ(Enterprise Products Partners)が推進する「シーポート・オイル・ターミナル(SPOT)」とのパイプラインルートの重複が争点となった。

(綿谷鮎子)

(米国、日本)

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