ビジャイTN州首相が就任、産業政策は引き続き要注視
(インド)
チェンナイ発
2026年05月14日
インド南部タミル・ナドゥ(TN)州議会選挙の結果を受け(2026年5月13日記事参照)、州最大政党となった新党タミラガ・ベットリ・カザガム(タミル勝利連盟、TVK)の党首で人気映画俳優のジョセフ・C・ビジャイ氏が5月10日、州首相に就任した。TVKは国民会議派(INC)と連立を組んだほか、4つの政党がTVKへの支持を表明した(注1)ことで、政権樹立にこぎ着けた。
福祉重視のマニフェストを掲げていたビジャイ州首相は、就任初日に(1)電力使用量が少ない家庭への電力無償供給上限引き上げ、(2)女性の安全確保のための特別部隊の設立、(3)麻薬対策に関する法案に署名した。また5月12日には、女性団体や少数政党の要求に沿うかたちで、礼拝所や教育施設、バスターミナル周辺の州営酒類販売窓口(注2)を2週間以内に閉鎖すると発表した。
経済政策については、5月12日時点で新政権から具体的な言及はない。しかし、ビジャイ州首相が財政に関する白書の発表や汚職のない行政、権限の一元化、争点となっている課題への慎重な対応を約束したため、TN州経済界は産業政策の継続性は保証されるとみている(「タイムズ・オブ・インディア」5月10日)。一方、当地ではTVKの政治経験不足を懸念する企業家の声も報じられている(「ロイター」5月6日)。そのほか、TVKは75%以上の従業員がタミル人で構成される企業にインセンティブを与える政策を掲げ、中央政府が承認したチェンナイ新空港建設の用地選定に反対の立場を取るなど(「ニュー・インディアン・エクスプレス」5月7日)、今後の政策を注視する必要がある。
(注1)定数234のTN州議会で、TVKとINCは112議席を占める。このほか、支持を表明した4つの政党が計8議席を占めているため、計120議席となる。
(注2)TN州では、州マーケティング公社(TASMAC)にインド産外国酒類の卸供給に関する独占的権限を付与している。本措置は、州内に4,765ある窓口のうち約15%にあたる717窓口が対象となる。
(田村健)
(インド)
ビジネス短信 2f4d2d9a35407d07





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