モディ首相、独立記念日演説で若者重視の姿勢を強調

(インド)

ニューデリー発

2026年08月27日

インドのナレンドラ・モディ首相は8月15日の独立記念日に、首都ニューデリーのレッド・フォートで、約75分間の演説を行った。独立記念日の首相演説は毎年の恒例行事であり、国民に向けて政府の実績や今後の政策方針、国家の将来像を示す重要な機会と位置付けられている。

今回の演説では、独立100周年を迎える2047年までに「発展したインド(ビクシット・バーラト)」を目指すことをあらためて宣言した。また、高い失業率などから不満が高まっている若者に向けたメッセージが多く盛り込まれた。演説の主要ポイントは次のとおり。

  • 若者関連:今後1年間で1,000万人の若者を対象とした人工知能(AI)研修の実施、大学入学資格試験などのための無料オンライン講座開設。
  • 産業関連:自立したインド(アトマニルバル・バーラト)の実現に向けた、半導体エコシステムのさらなる強化、防衛産業の国産化推進。
  • エネルギー関連:原子力発電容量を2047年までに100ギガワットへ拡大、2026年7月に承認された「サムドラ・マンタン国家沖合探査計画」に基づく沖合の石油・天然ガス資源探索の加速、太陽光発電や都市ガスネットワークのさらなる拡大、水素列車の推進。
  • スポーツ関連:2036年夏季オリンピック招致への意欲を強調、5歳から15歳の子供を対象としたスポーツ人材の発掘。
  • 貿易関連:インド政府が近年強化する自由貿易協定(FTA)推進による輸出拡大への期待。
  • 社会政策関連:薬物乱用の根絶、毛沢東主義系反政府武装運動(ナクサリズム)の排除、女性活躍推進、社会保障拡大の成果強調、15年ぶりの国勢調査への参加呼びかけ。

さらに、モディ首相は発展したインドの実現に向けて必要な7つの原動力(サプト・ダラ)として、(1)製造力、(2)農業と食品加工、(3)技術とイノベーション、(4)ガティ・シャクティ(インフラ、物流)、(5)防衛力、(6)グリーン/ブルー経済、(7)ソフトパワー(映画、文化、ヨガなど)を挙げ、これに加えて若者の力を最大限に生かすことを強調した。

インドでは近年、若年層の失業率の高さなどを背景に若者の不満が高まっている。2026年6月には、若者により結成された架空政党「ゴキブリ人民党(CJP)」が抗議活動を行い、教育大臣が辞任するなど、社会へ不満を持った若者による活動はモディ政権にも大きな打撃を与えている(2026年6月9日記事2026年7月31日記事参照)。

(丸山春花)

(インド)

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