インド、若者による抗議活動により、教育相が辞任
(インド)
ニューデリー発
2026年07月31日
インドのダルメンドラ・プラダン教育相が7月25日、辞任した。5月3日に実施された医学部入学のための全国統一試験(NEET)で試験問題が事前に流出していた問題を受け、若者を中心とする抗議活動が広がっていた。プラダン氏は、この混乱の責任をとるかたちで辞意を表明した。あわせて、消費者問題・食糧公共配給相兼新・再生可能エネルギー相のプラルハド・ジョシ氏が教育相を兼務することが発表された。
抗議活動を主導したのは、若者を中心に構成される架空新党の「ゴキブリ人民党(CJP)」(2026年6月9日記事参照)で、首都ニューデリーを中心に全国で活動を展開した。CJPは、(1)教育相の辞任、(2)試験問題漏えいを背景に自殺した学生の遺族に対する金銭的補償、(3)抗議活動参加者に対する刑事告発の撤回、の3点を主な要求として掲げた。ニューデリーでは、7月20日に数千人が参加する大規模な抗議デモが行われ、参加者と警察が衝突した。さらに、抗議活動の長期化を受けて警備が強化され、市内のメトロ(都市鉄道)駅が閉鎖されるなど、市民生活にも影響が及んだ。
現地メディアによると、モディ政権はこれまで、抗議活動や野党の要求を理由とした閣僚の辞任を認めない姿勢をとっていた。政策・行政上の問題について責任をとるかたちで閣僚級の大臣が辞任するのは、2014年のモディ政権発足以来初めてで、抗議には屈しないという従来路線からの大きな転換と受け止められている(「ヒンドゥスタン・タイムズ」紙7月25日など)。
今回の教育相辞任を受け、CJPは抗議活動の終了を宣言し、事態はひとまず収束した。しかし、特に若年層を中心に、SNSを通じた突発的な抗議活動が発生するリスクは高まっている。7月26日には、ガソリンの多くがE20(エタノール20%混合ガソリン)に転換される一方、消費者がガソリンの種類を選択できない(2026年5月26日記事参照)状況を問題視し、消費者への選択権付与を求めるために立ち上げられた「E20人民党(E20JP)」というX(旧Twitter)アカウントが注目を集めた。関連するアカウントは数時間で2万5,000人以上のフォロワーを獲得したとされる(「ヒンドゥスタン・タイムズ」紙7月27日など)。南西アジアの国々では、若者による反政府デモを発端とする政変が相次いでおり、モディ政権もこうした動向への警戒を強めるものとみられる。
(丸山春花)
(インド)
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