トランプ米政権、国内鉱業活性化に向けた投融資計画を発表、総額22億ドル超

(米国、オーストラリア、マダガスカル)

ニューヨーク発

2026年08月12日

米国のドナルド・トランプ大統領は8月7日、国内の鉱業の活性化と重要鉱物サプライチェーン強化に向けた投融資計画に関するファクトシート外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。今回の発表は、同日に行われた鉱業関連企業とのラウンドテーブルの中で行われたもので、鉱業・関連産業向けに計20億ドル超、鉱物関連の人材育成を行う教育機関向けに1億8,000万ドル超の投融資計画が盛り込まれている。

トランプ政権はこれまで、重要鉱物の国内供給網強化に向け、重要鉱物の生産能力の拡大(2025年3月24日記事参照)や戦略備蓄の拡充(2026年2月5日記事参照)、リチウムイオン電池やタングステンの輸出制限措置導入(2026年8月7日記事参照)などの取り組みを進めてきた。今回の措置も重要鉱物政策を推進し、国内供給基盤の強化を図る取り組みの一環と位置付けられる。

発表によると、具体的な投融資案件(対象企業・機関および投資内容)および金額は次のとおり(注1)。

  • ストラテジック・ボーキサイト(注2):耐火用ボーキサイトの国内サプライチェーン構築に向け、戦争省(国防総省)が8,550万ドルの株式投資契約を締結。
  • ナイロン・マグネティクス:レアアースを含まない磁石の生産能力拡充に向け、戦争省が1億5,000万ドルの条件付き融資枠を設定。
  • シラ・ナノテクノロジーズ:シリコンカーボン(Si/C、注3)負極材の生産拡大およびリチウムイオン電池のバッテリーセル製造施設の整備に向け、戦争省が14億ドルを条件付きで融資。
  • サンライズ・エナジー・メタルズ:オーストラリアのスカンジウム鉱山での採掘事業などの拡大に向け、戦争省が4億ドルの条件付き融資枠を設定。
  • 5Eアドバンスド・マテリアルズ:同社のホウ素鉱床開発プロジェクト「5E Boron Americas」に向け、合衆国輸出入銀行(EXIM)が800万ドルを融資。
  • ウェストウォーター・リソーシズ:バッテリーなどに用いられるグラファイトの鉱床の開発に向け、EXIMが2,500万ドルを融資。
  • グローバル・アドバンスド・マテリアルズ:電子機器や磁石、鉄鋼などの生産に用いられるタンタルおよびニオブの生産に向け、EXIMが2,500万ドルを融資。
  • ハレナ・レアアース:ネオジムやジスプロシウムなどの重希土類が含まれる、マダガスカルのレアアース鉱山の開発に向け、米国国際開発金融公社(DFC)が480万ドルを拠出。
  • 14の鉱物関連教育機関:鉱業や鉱物、関連サプライチェーンに関係する専門人材を2年間で倍増することを目標とする「重要技術における専門教育の機会提供(PROSPECT)」イニシアチブに向け、エネルギー省が関連教育機関に最大1億ドルを資金提供。
  • 3つの教育機関(コロラド鉱山大学、サウスダコタ鉱山大学、ジョンズ・ホプキンス大学):技術革新ハブの構築や学生と防衛産業とのパートナーシップ形成などに向け、戦争省が計8,130万ドルを拠出。

(注1)投融資元が発表したリリースは添付資料表参照。

(注2)ホワイトハウスが発表したファクトシートでは、社名が「スタンダード・ボーキサイト」と記載されているものの(8月10日時点)、誤りとみられる。

(注3)炭化ケイ素(SiC)とは異なる。

(滝本慎一郎)

(米国、オーストラリア、マダガスカル)

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