米USTR、矢崎グループのメキシコ工場での労働問題解決を発表、関税清算を再開

(米国、メキシコ)

ニューヨーク発

2026年08月17日

米国通商代表部(USTR)は8月13日、メキシコ政府に事実確認を要請していた矢崎グループ自動車部品工場での労働問題が解決したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同日ジェミソン・グリアUSTR代表は財務長官宛ての書簡PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を公表し、2025年11月19日以降保留されていた、当該工場で製造される自動車部品、ワイヤーハーネス、電子部品などに関する最終的な関税の清算手続きを再開するとした。

本件は、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)が定める「事業所特定の迅速な労働問題対応メカニズム(RRM、注)」に基づき、問題解決が図られていた。米国政府は2025年11月、メキシコ国内の自動車産業全国独立労働組合(SINTTIA)からUSTRへの矢崎工場を巡る労働権侵害の申し立てにより、メキシコ政府に事実確認を要請していた(2025年11月25日記事参照)。当該工場に対しては、2023年8月にもメキシコの別の労働組合からUSTRへの申し立てがあり、RRMに基づきメキシコ政府に事実確認を要請し、同年10月、USTRが当該工場での労働問題の解決を発表した経緯がある(2023年8月24日記事2023年10月5日記事参照)。

本件に対処するため、矢崎グループは次の対応策を示した。

(1)結社の自由および団体交渉に関する中立性を確保する声明および社内ガイドラインを配布

(2)団体協約の締結権を持たない少数派労働組合の権利を尊重する方針を採用

さらに矢崎グループは、上記の対応策を具体化するため、労働者への声明・ガイドラインの配布と研修の実施、結社の自由および団体交渉に関するメキシコ労働社会福祉省(STPS)による研修への場所の提供、労働者への(2)の方針の周知、の3点を約束する誓約書に署名した。

一方、メキシコ政府は、結社の自由および団体交渉に関する研修の実施、審査期間中の当該工場の監視、労働者および企業との協議を実施した。

米国政府は矢崎グループとメキシコ政府による上記の措置の結果、今回の案件に関する状況が是正されたと判断した。

(注)ただし、米国・カナダ間にはRRMは設けられていない。

(久峨喜美子)

(米国、メキシコ)

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