香港政府、2026年通年のGDP成長率見通しを3.5~4.5%に上方修正

(香港)

香港発

2026年08月24日

香港特別行政区(以下、香港)政府は8月14日、2026年の実質GDP成長率の見通しを5月に発表した見通し2.5~3.5%から3.5~4.5%へ上方修正した(2026年5月27日記事参照)。2026年上半期(1~6月)の成長率が前年同期比5.1%と、半期ベースで約5年ぶりの高い伸びとなった点や、短期的な見通しが考慮された。

香港政府の范婉兒(イリーナ・ファン)経済顧問は、2026年後半の香港経済について、人工知能(AI)関連製品への旺盛な需要が輸出や物流業界を下支えするとしたほか、来港客数の増加、金融サービスへの安定した需要、底堅い内需が引き続き経済成長に寄与するとした。一方、中東情勢による地政学的緊張の長期化に伴うエネルギー市場や物価への影響、主要国・地域におけるインフレ動向や中央銀行の政策、先進国の貿易保護主義的政策、AI投資の急拡大に伴うリスクを注視する必要があるとした。

現地メディアの報道によると、陳茂波(ポール・チャン)財政長官は、2026年下半期の経済について、慎重ながらも楽観的な見通しとした。米国の通商政策や金利動向は香港経済に大きな影響を及ぼし得るものの、市場は利上げの可能性を織り込んでおり、2026年内に重大な影響が生じる可能性は低いと分析した。また、同国の中間選挙に伴うリスクも管理可能との認識を示した(「ザ・スタンダード」8月16日)。一方、厳しい経営環境に直面する飲食業界に対しては、北上消費(注1)など中国本土および香港居住者の消費パターンの変化(注2)が進み、食品の質に加えてサービス体験も重視されているとして、業態の高度化や転換を呼びかけた(「RTHK」8月16日)。

なお、同日に発表した2026年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率の改定値は前年同期比4.3%で、7月31日に発表した速報値から修正はなかった(2026年8月6日記事参照)。

(注1)香港居住者が買い物目的で、中国本土を訪れて消費すること。昨今、安価で選択肢が豊富な深セン市に日帰りで遊びに行く者が増加している。

(注2)中国本土からの来港者の消費パターンは、ショッピングなどのモノ消費から、街歩きやハイキングなどのコト消費に変化しつつあり、宿泊地も香港より安い近接した深セン市に変わりつつある。

〔黄莃倫(ケリー・ウォン)〕

(香港)

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