中国、自動車メーカーの60日支払い履行監督を強化、メディア監督員制度を導入

(中国)

広州発

2026年08月05日

中国工業情報化部は7月27日、メディア向け座談会を開催し、主要自動車企業によるサプライヤーへの支払期間短縮に向けた取り組み状況を説明するとともに、中央メディアや経済専門メディア、関連業界メディア計20社の記者を初の「自動車業界支払期間問題監督員」に任命した。メディアの監督機能を活用し、効率的な連携と相互利益の実現につながる良好な産業エコシステムの構築を共に推進していくとしている。

中国では、一部大企業が、下請け業者に対する優越的な地位を利用した代金支払いの長期化や遅延が問題となっており、納品から半年~1年後に代金が支払われる事例が発生していた。こうした状況を受け、国務院は2025年6月に「中小企業代金支払保障条例」(以下、保障条例)を施行。保障条例では、大企業から中小企業への支払いを、納品から60日以内とすることなどを定めた(2025年6月16日記事参照)。

その後、工業情報化部は17社の主要自動車企業に対し、保障条例の着実な履行と「60日支払期限の誓約」の発表を促し、2025年7月には「主要自動車企業による支払期間の約束履行に関する問題(建議)申し立てオンライン窓口外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(注)を開設するなど、サプライヤーへの支払期間短縮に向けた施策を進めていると説明した。一方で、一部の自動車企業では、支払期間の起算時点を遅らせたり、管理プロセスを不適切に運用したりするなど、実質的に支払期間を延長する事例が依然としてみられるとして、さらなる改善が必要だと指摘した。

保障条例の徹底に向けては、在中国日系企業などで構成する中国日本商会が2026年6月に発行した「中国経済と日本企業2026年白書PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」(2026年6月15日記事参照)の中でも取り上げており、中国政府による中国国有企業をはじめとする大手企業への指導を求めている。

工業情報化部は今後、自動車企業のサプライヤー向け代金支払いに関するガイドラインの策定・公表を進めるほか、支払期間を実質的に延長している企業への是正指導を強化するとともに、法令違反の疑いがある事案に対する監督・法執行を強化する方針を示し、サプライチェーン企業、とりわけ中小企業の合法的な権益を着実に保護するとした。

(注)「重点自動車メーカーの支払期間順守に関する専用窓口」は、2025年6月に開設された中国工業情報化部の全国中小企業向け違約・代金支払遅延通報プラットフォーム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます内に開設されている。重点自動車メーカーが「60日支払期限の誓約を履行していない」「不合理な支払期限の起算日を設定したり、検収を遅らせたりしている」「商業手形などの非現金支払い方法を強制している」など、保障条例の履行が不十分と考えられる問題を受け付けている。

(西村京子)

(中国)

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