第2四半期GDPは前年同期比0.6%増、国際金融支援による復興需要が後押し

(ウクライナ)

調査部欧州課

2026年08月10日

ウクライナ国家統計局の発表(8月4日)によると、同国の2026年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率(速報値)は前年同期比0.6%となった。前期比(季節調整済み)では0.4%だった。

ウクライナ経済・環境・農業省(注)のモニタリングレポート(2026年4月、5月版)によると、ウクライナ経済は、国際金融支援を財源とする復興事業を背景に回復基調を維持した。賃金上昇に伴う内需拡大が小売業を支えたほか、防衛関連およびエネルギー復旧関連の製造業、畜産を中心とする農業が成長に寄与した。一方で、戦争の被害を受けている電力供給や物流部門は引き続き経済活動の重しとなっている。

ウクライナ国家統計局が発表する景況感指数をみると、2026年第1四半期(1~3月)は105.3、第2四半期は108.6を記録した。2023年第2四半期以降、基準値となる100を超え、良好な景気を示している。 

ウクライナ国立銀行(NBU、中央銀行)が毎月実施するビジネス活動期待指数(BAEI)をみると、2026年3~7月は5カ月連続で基準となる50以上の数値を記録し、好調を維持している。7月の調査結果(8月3日公表)によれば、7月のBAEIは50.1で、業種別では、道路建設やインフラ復旧需要を背景に建設業が最も楽観的見通しを維持し、製造業も内需と安定した電力供給を背景に改善した。卸・小売業も商品供給の安定と消費需要の堅調さから好調を維持した一方、サービス業はコスト上昇や人手不足の影響からBAEIが48.8と慎重な見通しを示した。

NBUは7月のインフレ報告(8月6日公表)で、2026年のGDP成長率予測を1.8%と予測し、4月のインフレ報告(5月7日公表)から0.5ポイント上方修正した。2027~2028年は2.8~3%で推移すると予測している。

NBUはインフレ率(消費者物価上昇率)について、2026年後半に10%まで加速し、その後は減速すると予測しており、7月31日から政策金利を15.0%から15.5%に引き上げた(2026年8月3日記事参照

ウクライナ国家統計局によると、2026年6月の平均月額賃金は3万2,783フリブニャ(11万4,741円、1フリブニャ=約3.5円)で、前年同月比25.4%増加した。NBUは深刻な労働力不足により2026年の実質賃金上昇率は2026年に12.4%まで加速すると予測する。一方、2027~2028年は労働力不足の緩和や移民の帰還などにより4~6%台で推移すると見通している。

(注)2026年7月の新政権発足時に、経済・環境・農業省は経済・環境省と農業政策・食料省に分離した(2026年7月23日記事参照)。

(柴田紗英)

(ウクライナ)

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