アルジェリア政府、新NDC提出、2035年までの排出削減目標と再エネ拡大方針を示す
(アルジェリア、イタリア、ドイツ)
パリ発
2026年08月26日
アルジェリア国営通信「APS」(8月3日付)によると、アルジェリア政府は、国連気候変動枠組み条約事務局へ新たな「NDC(国が決定する貢献
」(注)を提出し、2035年までの排出削減目標と再エネ拡大方針を明らかにした。同国は温室効果ガス排出量を2020年比で14%削減することを目標とし、さらに、国際的な資金支援、技術移転、能力構築が適切に確保される場合には、削減幅を31%へ拡大できると表明した。
電動モビリティー(EVの普及)の促進や公共交通の電化、メタン漏出の削減、住宅・業務・産業部門のエネルギー効率向上など複数分野を対象とするが、再生可能エネルギーの導入拡大が中心的施策となる。
政府は2035年までに太陽光発電で容量1万5,000メガワット(MW)を整備する計画で(2024年10月29日付地域・分析レポート参照)、まず3,200MWの太陽光発電所22カ所を自国資金で建設中だ。このうち、総出力400MWの太陽光発電所2カ所が2026年4月に稼働を開始した(2026年4月20日記事参照)。
今回提出されたNDCでは、2026年以降も、再生可能エネルギー重視の方針の下、風力を補完的に活用しつつ太陽光を中心とした電力ミックスを最適化するため、2035年までに追加で残り1万1,800MWを導入し、合計1万5,000MWの達成を目指すことが再確認された。
一方、資金面では、同国は緑の気候基金(GCF)、地球環境ファシリティー(GEF)、適応基金(AF)などの国際的な資金メカニズムおよび地域・2国間パートナーシップを活用する意向を明確に表明した。主軸である再エネ導入に向けた資金需要は、発電所建設や送電インフラ強化、蓄電システム導入などで、98億4,000万ドルと試算されている。
さらに、アルジェリアのエネルギー転換方針を支える主体として、国営企業ソナトラックの役割も重要性を増している。同社は、グリーン水素導入、メタン漏出削減など(2026年1月21日付地域・分析レポート参照)、NDC重点分野に沿った施策を進めている。同社は、2026年8月17日にイタリアのENIとの排出削減に関する協力プロトコル締結、7月にドイツのシーメンス・エナジーおよびボッシュとの電解装置の製造やグリーン水素生産関連覚書締結などを通じ、外国企業との連携を強化しつつ低炭素化を進めている。
(注)国が決定する貢献(NDC:Nationally Determined Contributions)は、パリ協定の下で各国が策定する国家気候行動計画。パリ協定では、各国の能力を踏まえつつ、NDCを5年ごとに更新し、段階的に高い目標を掲げることが求められている。
(ピエリック・グルニエ)
(アルジェリア、イタリア、ドイツ)
ビジネス短信 9345a8e1cea10ea8





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