日本の7月の対中東貿易、輸出入とも前年同月比増加に転じる

(日本、中東、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、オマーン、クウェート、カタール、イラン、米国)

調査部中東アフリカ課

2026年08月21日

日本の財務省が8月20日に発表した2026年7月の貿易統計(速報値)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、日本の世界からの輸入額は前年同月比27.8%増の12兆1,463億円、世界向けの輸出額は23.2%増の11兆5,118億円だった。このうち中東(注)との貿易では、輸入額が11.9%増の9,948億円、輸出額が4.1%増の3,511億円となり、輸出入とも前年同月比増加に転じた。貿易収支は6,438億円の赤字だった。中東からの輸入額は6月の7,372億円(2026年7月27日記事参照)と比べて大幅に増加した。

ホルムズ海峡の混乱を受けて、クウェートやカタールからの輸入が前年同月比で大幅に減少した一方、代替ルートを持つサウジアラビアからの輸入は57.3%増加した。ホルムズ海峡外に位置し、ペルシャ湾内港の代替港としても機能するオマーンからの輸入は3.5倍と大幅に増加した。イランからの輸入は前年同月比約5倍に増加した。

7月の中東主要国からの輸入額と前年同月比増減率は次のとおり。

  • サウジアラビア:4,485億円、57.3%増
  • UAE:3,939億円、0.2%増
  • オマーン:585億円、3.5倍
  • クウェート:565億円、27.1%減
  • カタール:120億円、86.4%減
  • イラン:5億8,000万円、5倍

前月6月と比べると、アラブ首長国連邦(UAE)含め主要国からはいずれも輸入額が増加しており、特にサウジアラビア(前月比51.1%増)、オマーン(同68.1%増)、クウェート(同5.2倍)、イラン(同2.2倍)の伸びが大きかった。

中東からの輸入品目では、「原油および粗油」が8,423億円で輸入総額の84.7%を占めた。前年同月比では20.7%増加したが、輸入数量は前年同月比で32.8%減少している。中東からの輸入シェア6.8%の石油製品(主に揮発油)は19.2%減、シェア3.1%の液化天然ガスも34.9%減だった。

日本の世界からの原油輸入額は前年同月比87.8%増の1兆4,089億円に上った。輸入数量は前年同月比5.5%増だった。中東産原油の主な代替輸入先である米国からの「原油および粗油」の輸入は5,084億円で、前年同月比約16倍に上った。輸入数量も前年同月比の9倍以上だった。

UAE向け、オマーン向けの輸出が増加

7月の日本から中東向けの輸出は、UAE向けが国別で最大の輸出先で、前年同月比で8.7%増加した(1,517億円)。オマーン向けの輸出は前年同月比48.9%増の249億円だった。

7月の中東主要国向け輸出額と前年同月比増減率は次のとおり。

  • UAE:1,517億円、8.7%増
  • サウジアラビア:838億円、4.7%減
  • オマーン:249億円、48.9%増
  • クウェート:214億円、24.6%減
  • カタール:177億円、5.8%減
  • イラン:1億5,000万円、62.8%減

輸出品目別にみると、中東向け輸出額の52.9%を占める「輸送用機器」が1,856億円で前年同月比11.7%減となった。このうち、主力品目の「自動車」は1,706億円で12.7%減だった。自動車の内訳では、「乗用車」が1,407億円で9.4%減、「バス・トラック」が299億円で24.4%減となった。一方、「自動車の部分品」は128億円で3.3%増加した。

中東情勢は「イスラエル・米国とイランの衝突を巡る中東情勢関連情報」、ホルムズ海峡や代替ルートの状況は「激動の中東情勢:中東各国への影響と展望」参照。

(注)財務省貿易統計での中東の定義は、イラン、イラク、バーレーン、サウジアラビア、クウェート、カタール、オマーン、イスラエル、ヨルダン、シリア、レバノン、アラブ首長国連邦(UAE)、イエメン、ヨルダン川西岸とガザを含む。トルコは含まない。

(塩川裕子)

(日本、中東、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、オマーン、クウェート、カタール、イラン、米国)

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