バングラデシュ、韓国との包括的経済連携協定に署名

(バングラデシュ、韓国、日本)

ダッカ発

2026年08月06日

バングラデシュ政府は8月4日、韓国との間で包括的経済連携協定(CEPA)に署名した。本協定により、バングラデシュ産品の97%が韓国市場で特恵的な関税待遇を受ける一方、韓国産品の87%がバングラデシュ市場で特恵アクセスを得る。対象は物品貿易に加え、サービス、投資、原産地規則など広範な分野に及ぶ。

本協定は2026年2月に署名された日本との経済連携協定(EPA)に続く、アジア主要国との本格的な経済連携協定となる(2026年2月10日記事参照)。バングラデシュは、近い将来に予定される後発開発途上国(LDC)からの卒業を見据え、輸出競争力維持に向けて主要市場との自由貿易協定(FTA)・EPA網の構築を進めており(2026年7月28日記事参照)、今回の合意はその戦略の一環と位置付けられる。

バングラデシュ輸出振興局(EPB)によると、2025/2026年度(2025年7月~2026年6月)における、バングラデシュの韓国向け輸出額は約4億2,100万ドルで、前年度比9%減となった。他方、入手可能な最新のデータとして、バングラデシュは2025年7~12月の期間に、韓国から約6億1,400万ドル分の製品を輸入しており、2024/2025年度の輸入額は約12億ドル、前年度比33%増だった。品目別にみると、韓国向け輸出は既製服、ホームテキスタイル、皮革製品、履物、医薬品、ジュート製品、冷凍食品、陶磁器などが中心となっている。韓国からは、産業機械、鉄鋼、電気機器、化学品などを輸入している。署名式に出席した韓国の呂翰九(ヨ・ハング)産業通商部通商交渉本部長は、従来の繊維分野に加え、技術、サプライチェーン、投資分野での協力拡大にも期待を示した。またサービス分野では、バングラデシュが95、韓国が111のサブセクターを相互開放することで合意した。これにより、技術移転や高度人材の往来促進が期待される。

交渉は2025年8月のソウルでの第1回会合以降、5回の正式交渉と約40回のオンライン協議を経て妥結した。今回の協定は、関税引き下げに加え、韓国企業による製造業投資やサプライチェーン再編の受け皿として、バングラデシュの位置付けを強化する狙いがある。LDC卒業を控える中、同国の輸出競争力維持に向けたネットワーク拡大の動向が注目される。

(片岡一生)

(バングラデシュ、韓国、日本)

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