タイの官民合同委員会、新国家投資推進に向けた5つの戦略枠組みを承認

(タイ)

バンコク発

2026年08月19日

タイの官民合同協議委員会の下に設置された国家新投資開発小委員会が7月31日に開催された(議長:エクニティ・ニティタンプラパス副首相兼財務相)。エクニティ副首相は、「現在の世界経済は大きな変革期にあり、各国が投資誘致とサプライチェーン再編を競う状況が生まれている中、タイは大規模な構造改革を実施し、投資を通じて経済を刷新し、投資障壁を取り除き、投資家の信頼を高めるべき重要な時期である」と強調した。

委員会では、経済成長率3%超、投資総額のGDP比30%、世界競争力ランキングのトップ20入りを目標に掲げ、タイを地域の主要な投資拠点へ押し上げることを目指す。同委員会では、「新たな国家投資開発」を推進するため、次の5つの主要戦略枠組みが承認外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますされた。

〇第1戦略:投資・産業変革ハブ

既存産業の高度化と同時に新産業基盤の構築を進め、タイランド・ファストパス制度(2025年11月19日記事参照)やスキル・ブリッジプログラム(2025年11月17日記事参照)により、手続きの迅速化や人材育成を行う。また、グローバルサプライチェーンへの参入を支援し、ローカルコンテンツ比率の向上を図るとともに国内企業の競争力を強化する。

〇第2戦略:AI・デジタルハブ

人工知能(AI)、半導体、チップ設計分野への投資を誘致し、2027年までに1,000億バーツ(約4,800億円、1バーツ=約4.8円)の投資誘致を目標とし、AI関連経済の付加価値をGDPの5%まで高める。またAIエコシステムを構築し、生産性向上や新サービスを創出する。

〇第3戦略:グリーンハブ

クリーンエネルギー投資の誘致を通じて、グリーン経済への移行を加速させる。また、グリーン金融の仕組みも整備することで、世界市場での競争力を高める。

〇第4戦略:金融ハブ

地域の金融センターを目指すほか、スタートアップや将来的に世界市場で競争できる企業の育成を支援する。

〇第5戦略:医療投資ハブ

高付加価値医療産業の生産拠点、地域の医療イノベーション拠点へと発展させる。

またエクニティ副首相は、単なる方針の提示ではなく、具体的な実行計画へ直結させるべく、緊急課題に対応する短期的な施策と、制度・インフラ・投資環境を改善し、構造改革を促す長期的な施策の両面から取り組むと説明した。具体的な実行を担保するため、それぞれに対応する専門作業部会の設置も承認された。

(野田芳美、ピンラウィー・シリサップ)

(タイ)

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