トランプ米大統領、対カナダ338条関税の発動を8月22日まで3日間延期

(米国、カナダ)

調査部米州課

2026年08月19日

米国のドナルド・トランプ大統領は8月18日、カナダに対する1930年関税法338条に基づく追加関税について、発動日を延期する大統領布告を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。当初の発動予定日だった8月19日から8月22日に3日間延期した。

トランプ氏は7月20日、カナダによる米国製自動車への追加関税などが米国に対する差別的措置に当たるとして、カナダからの輸入品の一部に50%の338条関税を課す大統領布告を発表した(2026年7月21日記事参照)。その後、338条関税の回避を求めるカナダと米国の間で交渉が続いていた(2026年8月14日記事参照)。

今回の大統領布告によると、トランプ氏は、カナダが米国への追加関税などを撤廃する意向を表明したことを受け、338条関税の発動を3日間停止することが公共の利益に沿うと判断した。338条は、関税発動を定める大統領布告の発表後も、大統領が公共の利益上必要と判断した場合には、その布告を停止、撤回、修正できると定めている。トランプ氏が再度の延期や関税の撤回を決定しない限り、338条関税は対象品目を変更することなく、米国東部時間8月22日午前0時1分以降の輸入に適用される見通しだ。

トランプ氏は自身のSNSへの投稿で、カナダと合意が成立したと表明し、最終的な文書を作成しているとした。合意によって、バイデン前政権時に建設許可が取り消された「キーストーンXLパイプライン(注)」が復活するかもしれないとも記したが、詳細は不明だ。一方、米国通商代表部(USTR)はSNSで、カナダとの合意には全ての米国製品に対する包括的な市場アクセスや経済安全保障、デジタル貿易、米国市場と労働者の保護に関する条項が含まれると説明した。米国やカナダの主要メディアによると、カナダは米国に対し、338条関税の撤回のほか、1962年通商拡大法232条に基づく鉄鋼・アルミニウムや自動車、木材に対する追加関税の軽減も求めていたが、米国がこれら関税措置の修正に同意したかは明らかにされていない。

今回の大統領布告は、338条関税が発動する直前に発表された。大統領布告では、関税発動の一時停止に伴い関税還付が必要となる場合、米国税関・国境警備局(CBP)が通常の手続きに従って還付を行うと規定している。

(注)カナダのアルバータ州と米国のネブラスカ州を結ぶ原油輸送パイプラインの建設計画。

(甲斐野裕之)

(米国、カナダ)

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