カナダ、米国に対する最大50%の対抗関税の内容を発表、9月8日発動予定
(カナダ、米国)
調査部米州課
2026年08月26日
カナダ財務省は8月25日、米国が1930年関税法338条に基づく対カナダ追加関税を8月22日に発動したことを受け(2026年8月24日記事参照)、報復措置の内容を発表
した。米国からの輸入品に対し、品目ごとに15%、25%、50%の対抗関税を9月8日午前0時1分から課す。
対象品目は、米国が338条および1962年通商拡大法232条に基づきカナダ産品に課している関税の対象品目から選定され、具体的には、鉄鋼、乳製品、家電、農業機械、パルプ・紙、電子機器など、800以上の品目が含まれる。対象品目の対米輸入額は、276億カナダ・ドル(約3兆2,000億円、Cドル、1Cドル=約115円)に相当する。
対抗関税は、原産地表示に関するカナダ・米国・メキシコ協定(CUSMA、注)加盟国向け規則に基づき、米国産品として表示できる品目に限って適用される。また、関税の発動日にカナダに向けて輸送中の米国産品は対象外となる。関税の具体的な運用については、カナダ国境サービス庁(CBSA)が税関通知
を通じて情報を公表する予定だ。
カナダは338条に基づく追加関税の発動回避を目的に、米国と貿易交渉を行っていた(2026年8月14日記事参照)が、マーク・カーニー首相は8月21日、交渉の停止と交渉団の帰国を命じた(2026年8月24日記事参照)。カーニー首相は、交渉終盤に米国側が修正して提示した合意条件が「不公平で経済的合理性を欠き、いかなる合意の信頼性を損なう」ものだったと説明していた。また、米国が338条に基づき約280億Cドル相当の一部のカナダ産品に50%の追加関税を発動したことを踏まえ、報復措置を導入する方針を示していた。
対立の激しさが増す米国・カナダ
米国のドナルド・トランプ大統領は8月24日、2027年1月1日からカナダ産の自動車・同部品および鉄鋼に対する関税率を50%に引き上げると、自身のSNSに投稿した。現在の関税措置を置き換えるのか、既存の関税に上乗せするのかなど、詳細は不明だ。
また、オンタリオ州のダグ・フォード首相とトランプ大統領の間で激しい言葉の応酬が起きたほか、トランプ大統領がオンタリオ湖を「アメリカ湖」へ改称することを検討するとSNSに投稿するなど、通商摩擦を背景に、米・カナダの対立が激しさを増している。
(注)米国ではUSMCA、メキシコではT-mecと呼ばれる。
(木村勇翔)
(カナダ、米国)
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