シーメンス、ジョージア州に1億8,500万ドル超を投資、データセンター向け電力機器を生産
(米国、ドイツ)
アトランタ発
2026年08月14日
ドイツの総合電機メーカー、シーメンスは8月7日、米国内の電力インフラ製造能力拡大に向け、ジョージア州とテキサス州に総額2億ドル超を投資すると発表
した。同社は、1億8,500万ドル超を投じてジョージア州ジャクソン郡ペンダーグラス市に新工場を建設するほか、テキサス州グランドプレーリーに1,900万ドルを投資し、既存のスイッチギア工場を支援する試験・物流施設を整備する計画だ。
2026年11月着工予定のジョージア州の新工場は、約55万平方フィート(約5万1,000平方メートル)の規模で、低圧電力インフラ製品や配電機器を製造する。人工知能(AI)の普及やクラウドサービスの拡大を背景とするデータセンター建設需要の高まりを受け、同社は同工場をデータセンター市場向け製品の米国生産拠点と位置付ける。ジョージア州によると、同工場では今後3年間で1,400人超の雇用創出が見込まれ、エンジニアリング、製造、組み立て、試験などの職種について2027年から採用を開始する予定だ。
今回の投資は、シーメンスが米国で進める製造基盤強化戦略の一環で、2026年5月には、過去5年間の米国内製造業向け投資額が累計10億ドルに達したと発表した(注)。同社はジョージア州内で既に2カ所の製造拠点と6カ所の事業所を展開し、1,700人超を雇用している。同州のブライアン・ケンプ知事(共和党)は、同社が140年にわたり州経済の一翼を担ってきたとし、今回の投資はジョージア州とドイツとの強固な経済関係を示すものと評価した。
今回の立地選定について、同社は、ジョージア州の事業環境に加え、サウスカロライナ州にある既存の電力機器製造拠点との近接性、米南東部地域のサプライチェーンや人材基盤へのアクセスを理由として挙げた。ジョージア州経済開発局(GDEcD)も、2025年にミュンヘンにある本社を訪問するなど、同社との関係強化に取り組んできたとしている。
米国では、AI向けデータセンター投資の拡大を背景に電力インフラ関連投資が相次いでいる(2026年1月19日付地域・分析レポート参照)。データセンター事業者による設備投資に加え、変圧器、スイッチギア、配電盤、電力管理システムなどの電力関連機器メーカーも生産能力の増強を進めている(2026年7月2日付地域・分析レポート参照)。今回のシーメンスの投資は、AI向けデータセンターの増設を背景に拡大する受配電設備需要に対応し、米国内の電力インフラ製造能力を強化する動きの一環と位置付けられる。
(注)投資先は、電力インフラ、鉄道車両、半導体関連、データセンター向け設備など多岐にわたる。具体的には、ノースカロライナ州とサウスカロライナ州での電力機器生産拡張(1億6,500万ドル)、テキサス州フォートワースのデータセンター向け電力インフラ工場建設(1億9,000万ドル)、ノースカロライナ州レキシントンの旅客鉄道車両工場建設(2億2,000万ドル)などを進めている。これらの投資により、2028年までに全米で2,200人超の雇用創出を見込む。
(紀井寿雄)
(米国、ドイツ)
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