米ゼネラルモーターズ、EVバッテリー事業を韓国サムスンに売却

(米国、韓国)

ニューヨーク発

2026年08月14日

米国のゼネラルモーターズ(GM)が、電気自動車(EV)需要の減速を受け、北米におけるバッテリー事業の再編を進めている。韓国のサムスンSDIは8月11日、GMとの合弁会社であるシナジーセルズ(本社:インディアナ州ニューカーライル)が建設中のバッテリー工場について、GMが保有する49.99%の持ち分を取得すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。EV需要の伸びが想定を下回る中、同工場は完成後、当面、エネルギー貯蔵システム(ESS)向け電池を生産する。一方、サムスンSDIとGMはEV向け次世代角形電池の共同開発契約を新たに締結しており、将来、同工場で生産する可能性も残す。

GMは2024年12月にも、LGエナジーソリューション(LGES)との合弁会社アルティウムセルズがミシガン州ランシング近郊に建設していた工場の持ち分をLGESに売却すると発表した(2024年12月5日記事参照)。また、アルティウムセルズのテネシー州スプリングヒル工場では、EV向け電池の生産設備を活用し、ESS向け電池の生産に軸足を移している(2026年3月26日記事参照)。北米でEV用電池の供給能力が需要を上回る中、GMは自社で生産能力を抱え込む従来戦略を見直しているとみられる。

もっとも、GMがEV関連投資そのものを後退させているわけではない。ロイター(8月12日)によると、GMとLGESのオハイオ州ウォーレン工場は、EV需要低迷を理由に2026年1月から停止していたEV向け電池セル生産を8月17日の週に再開する予定だ。さらに、GMは充電インフラへの投資も続けている。EV充電サービス大手のEVゴー(EVgo)は8月11日、GMの支援を受けてミシガン州デトロイト市に新たな急速充電拠点を開設外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、2026年末までに100基以上を稼働させると発表した。同社はすでに、GMの支援により32州で約2,400基の充電スタンドを整備している。

調査会社のモーターインテリジェンスによると、米国のバッテリー式電気自動車(BEV)の販売台数は、連邦政府による7,500ドルの税額控除終了後の2025年第4四半期以降、減少が続いている。2026年第2四半期は前年同期比20.2%減となり、全新車販売に占めるBEVのシェアは7.4%から5.8%に低下した(2026年7月16日記事参照)。一方で、市場が今後も一定のペースで成長するとみる向きは根強い。市場調査会社のJDパワー(7月10日)は、カリフォルニア州でのEV購入支援策(注)などを背景に、中長期的には米国全体でもBEV販売が増加に転じ、2035年には新車販売に占めるシェアが36.8%に達すると予測している。

(注)米カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事(民主党)は7月13日、消費者が初めてEVを購入する際、即時にリベート(購入時割り戻し)を受けられるプログラムについての法案(SB168)に署名した(2026年7月15日記事参照)。

(大原典子)

(米国、韓国)

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