米新車販売、第2四半期は前年同期比0.8%増と底堅さを維持

(米国)

ニューヨーク発

2026年07月16日

米国自動車データ分析会社のモーターインテリジェンスの発表(7月1日)によると、米国の2026年第2四半期(4~6月)の新車販売台数は、前年同期比0.8%増の425万1,699台だった(添付資料図1参照)。季節調整済み年率換算販売台数(SAAR)は6月時点で1,667万台と、前年同月(1,595万台)から上昇した。米自動車調査会社のコックスオートモーティブのシニアエコノミスト、チャーリー・チェスブロー氏は、「新車市場は、イランをめぐる情勢や、原油・燃料価格の急激な高騰といった事態を、実質的にものともしていない」と市場の安定性を強調した(ロイター7月1日)。

堅調な販売を支えた要因には、富裕層の販売全体に占める割合の拡大や、購入コストの低下などが指摘されている。市場調査会社JDパワー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、6月時点での平均新車ローン金利は過去4年間で最低水準の6.66%に低下した。また、ローン返済期間を長期化する購入者も増えており、可処分所得に占める月々のローン支払額の割合は2021年第2四半期以降で最も低い7.19%だった(注1)。

販売台数を部門別にみると、乗用車が前年同期比1.3%増の75万3,862台、小型トラックが0.7%増の349万7,837台といずれも増加した(添付資料表1参照)。中でもスポーツ用多目的車(SUV)は、中型SUVの販売が好調だったことから、全車シェアが過去最多の58.0%に上昇した。一方、ピックアップトラックは、大型サイズが落ち込んだことで、2.2%減少した。

主要メーカー別では、ゼネラルモーターズ(GM)とフォードが、主戦場である大型ピックアップトラックの販売減などにより前年同期比減となったほか、2025年9月30日の電気自動車(EV)向け税額控除撤廃後の需要減などを背景に、テスラがマイナスとなった(添付資料表2参照)。一方、欧州勢のフォルクスワーゲン(VW)とBMWがそれぞれ14.4%増、11.8%増と好調だった。VWはSUVの販売増や販売奨励策(インセンティブ)の強化、BMWはセダン市場での競争力強化が奏功した(オートモーティブニュース7月10日)。日産、ホンダはそれぞれ9.6%、8.4%増と伸びた。日産は「ローグ」などガソリン車(ICE)が牽引したのに対し、ホンダはハイブリッド車(HEV)を含む「CR-V」「アコード」が販売増を支えた。トヨタは「RAV4」のHEVなどは伸びたが、レクサスブランドの販売減が響き1.1%増にとどまった。

動力別ではHEVが牽引し、電動車全体で前年同期比8.4%増となった一方、バッテリー式電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)がいずれも2桁減となり、HEVへのシフト傾向が鮮明となった(添付資料表3、図2参照)。なおBEV市場が縮小する中でも、リビアンは電動配送バン(EDV)などの拡大により14.4%増と伸びた。

2026年通年の見通しに関して、主要調査機関は、2026年初時点の予測である1,580万~1,610万台を維持している(2026年6月4日付地域・分析レポート参照、注2)。その中で、コックスオートモーティブ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(予測台数:1,580万台)は6月24日、「経済情勢全体としては依然として強弱入り混じる状況にあるが、販売見通しを大きく変更させるほどの影響はない。エネルギーコストに関連するインフレ圧力や、依然として続く購入のしにくさ(アフォーダビリティの問題)が、消費者心理の重しとなっている。金利が高止まりし、消費者が慎重な姿勢を崩さない中でも、新車市場は底堅さを維持している」と指摘した。

(注1)出所:エドマンズ・ドット・コム、7月1日外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます商務省統計局発表データ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

(注2)出所:自動車イノベーション協会、7月9日PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)

(大原典子)

(米国)

ビジネス短信 ff555bbc08bd5c57