米税関、輸入申告の事後修正プロセス変更に関するガイダンスを発表、8月5日から適用開始

(米国)

ニューヨーク発

2026年08月05日

米国国境・税関警備局(CBP)は8月3日、輸入申告の事後修正(Post Summary Correction:PSC)手続きに関するプロセス変更のガイダンス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。変更は7月6日に官報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで発表されていたもので、8月5日に適用が開始された。

米国では、輸入者が輸入時に納入する関税は暫定的な額(推定関税)となっており、CBPはその後、通常314日以内に最終的な関税額を確定・通知する。ここで確定した関税額と推定関税との間に差異があれば、この差額分が徴収もしくは還付される。これを関税清算という(注1)。PSCはこの関税清算前に、輸入者が自主的に輸入申告内容を修正する手続きだ。輸入者は、輸入時に提出した輸入概要書(Entry Summary)に誤りを発見した場合(注2)、一定の条件の下でPSCを提出し、申告内容を修正できる(注3)。PSCは電子申請システム(ACE)を通じて提出する。

ガイダンスでは、今回の変更点に次の4点を挙げた。

  1. 支払いの電子化:PSCの結果、支払うべき関税などが増額した場合、現金や小切手による支払いは認められなくなる。今後、輸入者はCBPによる口座引き落とし(ACH Debit)または銀行に対するCBPへの送金指示(ACH Credit)のいずれかにより、電子的に支払う必要がある(注4)。
  2. 全額支払いの義務化:PSCの結果、支払うべき関税などが増額した場合、追加納付額の一部のみを支払うことは認められなくなる。今後、輸入申告者は追加となった関税などを全額支払うか、CBPの清算まで待つ必要がある。また、追加分の関税を支払うことなく新たなPSCを提出することも認められない。
  3. 利息の支払いタイミングの明記:PSCの結果、支払うべき関税などが増額した場合、その利子の支払いは、CBPの清算が終了し、未払い利息に関する請求書が発行された時点で行う必要がある。
  4. PSCの提出期限に関する例外措置の導入:PSCの提出期限は輸入日(Date of Entry)から300日以内、またはCBPの清算予定日の15日前までのうち、早い方となっている。今後、輸入日から301日以上経過していても、清算がアンチダンピング関税(AD)や補助金相殺関税(CVD)の適用などを理由に301日以上保留されている場合、例外的にPSCの提出が認められる(注5)。

なお、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく関税の還付請求のためにPSCを提出することは認められていない(2026年4月13日記事参照)。IEEPA関税の還付は、「統合通関管理・処理システム(CAPE)」での申請により行われる。CBPは、CAPEを通じ、関税が未清算、または清算後80日までの輸入申告に対して還付申請を受け付けている(注6)。

(注1)関税清算後でも、180日以内であればCBPに対して異議申し立て(Protest)を行うことができ、これが認められれば、再清算となる。申し立ては通常、CBPフォーム19PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)のフォーマットが利用される。詳細はCBPのウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます参照。

(注2)輸入概要書への記載内容のうち、入国港や入国日、自由貿易協定(FTA)などの適用対象であることを示すインジケーターなど、一部項目は修正できない。

(注3)PSCの提出期限内であるほか、CBPが輸入概要書を受理済み(Accepted Status)であることなど。条件の詳細は官報やCBPのウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。このほか、PSCの詳細は、ユーザーズガイドPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を参照。

(注4)ACHは銀行間の自動決済ネットワーク「Automated Clearing House」の略称。それぞれの手続きの進め方については、ガイダンスやCBPの解説ページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

(注5)例外措置は、2022年に導入されていたが、今回の官報およびガイダンスを通じて明文化された。詳細はCBPの例外措置導入時のガイダンス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

(注6)CBPは今後、清算が最終確定している輸入に対しても、還付申請の対象とする方針を示している。その場合、CBPは貨物システムメッセージサービス(CSMS)を通じて発表する(2026年6月25日記事参照)。

(滝本慎一郎)

(米国)

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