USMCA見直し協議、米国産業界からは3カ国体制の維持を求める声

(米国、カナダ、メキシコ)

ニューヨーク発

2026年07月03日

米国、メキシコ、カナダの3カ国は7月1日、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の初の共同見直し会合をオンラインで実施した。米国が現行協定の延長に同意せず、協議を継続することとなった(2026年7月2日記事参照)。今回の会合を受け、米国産業界からは、北米3カ国の枠組み維持と早期の延長合意を求める声が相次いだ。

自動車業界では、ゼネラルモーターズ(GM)、トヨタなど主要メーカーからなる自動車イノベーション協会(AAI)や米国部品工業会(MEMA)を含む7団体(注)が共同声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。声明によると、USMCAは2020年の発効以降、米国内への数十億ドル規模の投資や数千人規模の製造業雇用の創出を促進するとともに、消費者に幅広い価格帯の車両を提供する基盤となったと評価した。その上で、(1)現行の3カ国体制の維持、(2)USMCA適格品に対する特恵扱いの継続・回復、(3)過去6年間にわたり業界の発展を支えてきた安定性と予見可能性の確保、を求め、3カ国首脳に対し、USMCAの延長に向けた早期の合意形成を要請した。AAIは本協議に先立ち、3カ国間にまたがる複雑なサプライチェーンにおいて、USMCAがコスト低減に果たす役割を政府に訴えるなど、現行体制の維持に向けた働きかけを行っていた。

電気機器メーカー300社以上で構成する米国電機工業会(NEMA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、延長合意には至らなかったものの、協議の継続を前向きに評価した。ただ、加盟企業は今後5年間で600億ドルの投資を計画しており、その前提は協定の安定性だと指摘。長期的な更新がなければ、必要な規模での設備投資は難しくなる、と懸念を示した(米国通商専門誌「インサイドUSトレード」7月1日)。

小売業界では、全米小売業リーダー協会(RILA)が声明を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、「強固な協定は、企業が家庭に必要な製品を届けるのを助け、長期にわたる不確実性による混乱から消費者を守る」として、USMCA適格品への無関税措置と3カ国による枠組みの維持を支持した。サービス分野では、グーグルやアマゾンなどが加盟するサービス産業連合(CSI)が、USMCAはサービス、投資、デジタル貿易における世界的なベンチマークだと評価。その上で、国境を越えたデータの流通や、データの強制的な現地化防止といった分野での高水準のルールは、サービス産業だけでなく製造業や農業の競争力も支えているとし、その基盤となる3カ国の枠組み維持を求めた(「インサイドUSトレード」7月1日)。

(注)AAI、MEMAのほか、米国自動車政策評議会(AAPC)、米国際自動車ディーラー協会(AIADA)、米国外自動車ブランドのロビー団体であるオートス・ドライブ・アメリカ(ADA)、全米自動車ディーラー協会(NADA)、ゼロエミッション輸送協会(ZETA)。

(大原典子)

(米国、カナダ、メキシコ)

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