奇瑞汽車がロスリン工場の開業式を開催

(南アフリカ共和国、中国)

ヨハネスブルク発

2026年07月10日

中国自動車メーカーの奇瑞汽車(チェリー)は、1月に日産自動車から買収したロスリン工場(2026年1月29日記事参照)の開業式を7月3日に開催した。式典には、南アフリカ共和国のポール・マシャティーレ副大統領、ハウテン州のパニャザ・レスフィ州首相、ツワネ市のナシフィ・モヤ市長、呉鵬(Wu Peng)駐南ア中国大使、奇瑞汽車の尹同躍(Yin Tongyue)会長をはじめとする約350人が出席した。

当地報道によれば、尹会長は開業式のあいさつで、「初期段階では約1万5,000台の生産を予定しており、最終的には年間10万台の販売を目指す」と述べるとともに、同社の理念に基づき「投資する場所には必ずコミットし、地域経済、地域社会、そして南アの未来の一部となる」「私たちは輸入業者から製造業者へ、そして市場参加者から南ア産業の長期的なパートナーへと成長する」と今後に意欲を示した。工場設備などへの投資を行い、2027年半ばの生産開始を目指すという。

なお、日産自動車工場の従業員として働いていた692人の雇用は奇瑞汽車に引き継がれるとともに、今後はサプライチェーン全体で新たに3,000人の雇用創出を目指すことも発表された。

今回の工場開業式は、近年、中国やインドからの完成車輸入が急増し、既に南アに製造拠点を構える自動車メーカーの生産や雇用の維持の観点から、南ア政府内でも議論が沸き起こっている中で行われた。南ア自動車ビジネス協議会(NAAMSA)によると、2025年には、特に小型自動車(乗用車および小型商用車)のインドからの輸入が前年比26.4%増の21万9,796台、中国からの輸入が76.0%増の9万1,326台に上った。市場に占める輸入車の割合も7割近くを占めている。こうした状況下、南ア国会では中国、インドからの完成車輸入に対する関税引き上げも議論すべきだとの意見も出されていた。

また、自動車産業職員協会(MISA)も、奇瑞汽車の投資、そして従業員雇用が維持されたことは評価しつつも、「南アの人が未来のモビリティーを創造するのか、それとも単に組み立てるだけなのか」として、サプライチェーン全体での価値や技術の創造を求める声明を発表している。

(的場真太郎)

(南アフリカ共和国、中国)

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