米商務省、UAEに対する輸出管理を緩和する最終規則を発表

(米国、アラブ首長国連邦)

ニューヨーク発

2026年07月15日

米国商務省産業安全保障局(BIS)は7月10日、アラブ首長国連邦(UAE)に対する輸出管理規則(EAR)を緩和する最終規則を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。官報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでの公示は7月14日付だが、最終規則は7月10日から有効となっている。UAEに対する輸出許可(ライセンス)例外の適用範囲を拡大し、事前許可なしで輸出可能な品目を増やす。BISは今回の緩和措置の理由として、「UAEが米国の主要防衛パートナーとしての地位を有し、エピック・フューリー作戦を含む米国の国家安全保障上の利益の推進を支援してきたこと」を挙げた。

今回の最終規則では、主に次の3つを定めている。

  1. UAEを国別グループ(注1)D:3およびD:4から除外すること。
  2. UAEを国別グループA:5に追加し、許可例外(注2)の1つである「戦略的貿易許可(STA)」を適用すること。
  3. 先端コンピューティング関連品目の輸出に対しては引き続き許可取得を必要とするが、UAE政府など米国が承認した事業体への輸出などについては許可例外を適用すること。

UAEはこれまで、国別グループBに加え、D:3およびD:4にも指定されていた。国別グループBに指定されている国向けの輸出などには一定の許可例外が適用されるが、UAEはD:3およびD:4にも指定されていたため、一部の許可例外が適用されていなかった。例えば、ミサイル技術(MT)として規制対象となる無人航空機(UAV)は、一時的な輸出に適用される許可例外の1つである「一時的な輸入、輸出、再輸出(TMP)」を利用して、UAEで開催される防衛展示会への展示目的で米国から輸出することができなかった。今回、D:3およびD:4への指定が解除されたことで、こうした許可例外が適用できるようになる。

また、UAEを国別グループA:5に追加することで、UAE向けの輸出には、同盟国などとの貿易や軍事的相互運用の促進を目的とした、STAに基づく許可例外が適用されることになる。ただし、最終規則では一定の制限を課した。UAE向けの適用条件として「脚注5」を追加し、最終荷受人および最終使用者がEAR第740章付則8に記載された事業体である場合に限り、STAの許可例外を適用するとした。現時点でSTAの許可例外の対象となるのは、UAE政府機関や米国に本社を置く人工知能(AI)関連企業となっている。AI関連企業には、アマゾン、アップル、グーグル、メタ、マイクロソフト、オープンAI、オラクル、X(旧Twitter)が指定されている。なお、UAEの国有企業やUAE政府の請負業者・助成金受給者は対象外だ。

さらに、特定の先端コンピューティング関連製品に対する輸出管理については、UAEが国別グループD:4、D:5から除外されても引き続き適用される。BISは5月、2023年11月から施行したD:5またはマカオに親会社がある企業向けの輸出規制について、現時点でも有効であり輸出許可が必要だとするガイダンスを発表していた(2026年6月3日記事参照)。ただし、最終荷受人および最終使用者が、UAE政府機関やEAR第740章付則8に記載され、先端コンピューティング関連品目を輸出許可なしで受領することを認められている場合には、許可例外が適用される。

(注1)EARでは、輸出などする際に必要な事前許可の範囲や許可例外の適用対象を定めるため、対象国を国別グループに分類している。Aには、多国間輸出管理レジームの加盟国や「戦略的貿易許可(STA)」の許可例外に基づいて輸出できる国が指定されている。Bには、特定の許可例外の対象となり、比較的緩やかな輸出許可審査方針が適用される国が指定されている。Dには大量破壊兵器の拡散懸念がある国や武器禁輸措置の対象国、Eにはテロ支援国などが指定されている。詳しくはBISのウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

(注2)EARでは、輸出規制対象品目であっても、一定の条件を満たし所定の手続きに従う限り、例外的に輸出許可を取得することなく、輸出、再輸出、移転を行うことが認められている。

(赤平大寿)

(米国、アラブ首長国連邦)

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