英政府、7月1日から適用の鉄鋼セーフガード措置を決定、関税割当枠を51%削減

(英国)

ロンドン発

2026年07月02日

英国政府は6月25日、7月1日から適用する鉄鋼製品に対するセーフガード措置を決定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。関税割当枠を51%削減し、超過分に対する関税率を50%に引き上げる。対象は英国で製造可能な全ての鉄鋼製品(対象製品などの詳細は英国政府ウェブサイト参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。自由貿易協定(FTA)締結国を含む全ての国・地域に一律適用する。ただし、ウクライナ産製品については対象外とする。関税割当枠は、2026年3月19日発表の鉄鋼戦略(2026年3月25日記事参照)では60%削減としていた。鉄鋼戦略の発表後、産業界や、サプライチェーンを密接に共有し新たな鉄鋼貿易措置の発効を控えたEUと緊密に協議するなどした結果、最終的に51%削減となった。

2025年7月1日施行の措置で廃止された、未使用の割当枠を次の四半期に持ち越す「キャリーオーバー」制度が復活する(2025年7月16日記事参照)。ただし同割当年度内に限られ、割当年度(7月1日から翌年の6月30日まで)をまたぐ繰り越しはできない。繰り越しは該当の四半期終了後、20営業日目に有効となる。

移行措置も設けられている。期間は7月1日から9月30日までで、対象品目は次の条件に合致する場合、割当超過関税全額(50%)が免除となる。

  • 2026年7月1日から9月30日の間に英国へ輸入
  • 2026年3月14日よりも前に締結された契約の履行

なお、2026年7月1日から9月30日までの間に保税倉庫から英国市場へ投入された貨物についても、2026年3月14日よりも前に締結された契約を履行するために英国へ輸入された場合にはこの移行措置を利用できる。また、この移行措置を利用した貨物は、第1四半期の割当枠には算入されない。

移行措置を利用するための証明資料の例としては、次が示されている。

  • 書面による契約書(販売契約を含む)
  • 請求書
  • 支払い証明書
  • 保税倉庫記録

英国の鉄鋼業界団体UKスチールは6月25日、今回の政府のセーフガード措置を巡る決定は、世界的な過剰生産や不公正貿易による悪影響から英国の鉄鋼産業を守るための前進であると評価した。一方、新たな割当措置により英国の生産者の状況が悪化した部分もあるとして、亜鉛メッキ鋼や非合金ワイヤーを例示したほか、包装用鋼材や中空形鋼についても懸念が生じているとコメントした。

(野崎麻由美)

(英国)

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