英政府、鉄鋼戦略を発表、セーフガード措置を再強化
(英国、ナイジェリア)
ロンドン発
2026年03月25日
英国政府は3月19日、鉄鋼戦略を発表
した。既存の鉄鋼産業を安定化と再建、持続可能性の確保に加え、縮小傾向にある国内市場シェアの回復を図り、国内需要の40~50%を国内生産で賄うことを目標とする。
同戦略では、6月30日に失効する現行のセーフガード措置に代わる新措置を導入する。総関税割当枠を60%削減し、超過分に対する関税率を50%へと引き上げる。対象は英国で生産されるすべての鉄鋼製品で、自由貿易協定(FTA)締結国を含む全ての国・地域に一律適用し、7月1日に発効する。米国やEUなどによる輸入制限を背景に、安価な鉄鋼の流入リスクが高まっていることに対応する。なお、2025年7月1日にもセーフガード措置の強化が適用されている(2025年7月16日記事参照)。
同戦略の主な施策は次のとおり。
- 電気アーク炉(EAF)を将来の中核技術と位置付け、高炉からリサイクルスクラップを使用した低炭素生産への移行を継続する。
- 洋上風力発電事業者による英国産鋼材の活用拡大に向け、クリーン産業ボーナス(CIB、注)の次回申請ラウンドに鉄鋼メーカーを含めることを可能にする。
- 英国の鉄鋼メーカーへの鉄スクラップの持続可能な供給を確保するため、省庁横断的な作業部会を発足させる。
また、英国輸出信用保証局(UKEF)は同日、ナイジェリア政府と同国西部の港湾都市ラゴスの海事インフラ施設改修に対し、7億4,600万ポンド(約1,581億5,200万円、1ポンド=約212円)の資金支援で合意
した。ナイジェリアのボラ・ティヌブ大統領の英国訪問に合わせて発表された。英鉄鋼大手ブリティッシュ・スチールは、同プロジェクト向けに総額7,000万ポンドのビレット(鋼片)供給契約を受注した。なお、同社は中国・敬業集団傘下であるが、2025年4月以降、英国政府の管理下に置かれている(2025年4月16日記事参照)。
(注)再生可能エネルギー分野のサプライチェーン投資企業への追加支援制度。
(野崎麻由美)
(英国、ナイジェリア)
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