インドネシア・インド首脳会談、経済安保協力を強化
(インドネシア、インド)
ジャカルタ発
2026年07月17日
インドネシアのプラボウォ・スビアント大統領とインドのナレンドラ・モディ首相は7月7日、ジャカルタで首脳会談を行い、安全保障、貿易、重要鉱物、金融など幅広い分野での協力強化を確認した(7月7日付インドネシア大統領府プレスリリース
)。両首脳は包括的戦略的パートナーシップの深化で一致し、経済・防衛分野を中心とした複数の協力案件を推進する方針を再確認した。
経済分野では、2国間の貿易拡大に向け、インドネシア・インド特恵貿易協定(PTA)の交渉加速と、ASEAN・インド物品貿易協定(AITIGA)の見直し(注)を進めることで一致した。
また、防衛、重要鉱物、宇宙、保健、農業、通信、医薬品、海上安全保障を含む、15件以上の戦略的協定および覚書を締結した。防衛分野では、ブラモス超音速巡航ミサイルや空対空ミサイル分野での企業間協力も含まれた(7月8日付「ジャカルタ・ポスト」)。
重要鉱物・鉄鋼分野では、サプライチェーン強化に向けた協力も確認した。インド国営鉄鋼大手インド鉄鋼公社(SAIL)とインドネシア国営鉄鋼大手クラカタウ・スチールの協力に加え、レアアースなど重要鉱物分野での技術・産業協力を通じて、供給網の強靱化や付加価値向上を図る方針を示した。
安全保障面では、第3回インド・インドネシア安全保障対話を通じて協力を強化する方針を確認した。両国はテロ対策や海洋安全保障に加え、港湾開発、ブルーエコノミー、海上貿易分野での連携促進でも一致した。インド洋と東アジアを結ぶマラッカ海峡は、物流・エネルギー輸送の要衝であり、プラボウォ大統領は7月のシンガポールとの首脳会談でも同海峡の安全確保と航行の自由について協議した(2026年7月10日記事参照)。なお、プルバヤ・ユディ・サデワ財務相は4月、同海峡を通航する船舶への課金の可能性に言及したが(4月23日付、「ザ・ディプロマット」)、その後、国連海洋法条約(UNCLOS)との整合性を理由に、そのような計画はないと説明した(4月24日付「アンタラ」)。
(注)AITIGAは、2010年に発効したASEANとインドの物品貿易協定(FTA)。現在、見直し交渉が行われている。
(大滝泰史、ティアラ・ダルマシャンティ)
(インドネシア、インド)
ビジネス短信 d52198c7892f0a0d





閉じる