英政府機関、長期エネルギー貯蔵プロジェクト16件を暫定選定

(英国)

ロンドン発

2026年07月03日

英国政府機関のガス・電力市場局(Ofgem、エネルギー部門の規制機関)は6月26日、長期エネルギー貯蔵(LDES)支援スキームの暫定的な選定結果を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。本スキームは、特定のLDESプロジェクトの事業者の収入に上下限を設定するキャップアンドフロアスキームを導入するもので、Ofgemにより運営されている(2024年10月18日記事参照)。収入がフロア(下限)を下回る場合は需要家がLDES事業者に下限水準に達するまでの差額を支払い、収入がキャップ(上限)を上回る場合はLDES事業者が需要家に対してその超過分を還元する。一定の収益を保証することでLDESへの投資を促進しつつ、需要家の負担を低減することが狙いだ。

これまでに171件のプロジェクトが本スキームに申請し、うち77件が最終審査へ進んでいた(2025年10月6日記事参照)。今回選定されたプロジェクトは16件(詳細はOfgem資料PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)13ページ参照)で、合計容量は7,645メガワット(MW)。件数では、リチウムイオンのバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)が11件と最多だが、容量ベースでは、スコットランド北部における揚水発電(注1)3件が3,900MWを占め最大となった。そのほか、圧縮空気エネルギー貯蔵(CAES、注2)とレドックスフロー電池技術を用いるもの(注3)が1件ずつ選ばれた。Ofgemは8月7日まで選定結果について意見公募を行い、その結果を踏まえて2026年秋に最終決定する見込みだ。

Ofgemはあわせて、第1回のスキームの結果を踏まえ、2027年までに本スキームの第2回を行うという方針を確定すべく、2026年中に第2回以降の設計について協議すると発表した。開設時期は、今後実施されるエネルギー空間戦略(SSEP、2024年10月23日記事参照)におけるシステム要件、および第1回からの教訓を踏まえて実施の有無を判断するとした。

(注1)夜間など電気の使用量が少ない時間帯に余剰電力で揚水ポンプを動かし、水を低いところから高いところにくみ上げ、日中など電気が必要な時間帯にくみ上げておいた水を落として、水車を回して発電する方式。

(注2)地下空間やタンクに電力で圧縮した高圧の空気を貯蔵し、電力が必要な際に圧縮した空気で発電機を回転させて発電する技術。

(注3)電解液を循環させ、イオンの酸化還元反応を利用して充電、放電する蓄電池の一種。

(齊藤圭)

(英国)

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