スウェーデンの高機能ポリマー大手、モロッコで航空宇宙向け新工場を開所

(スウェーデン、モロッコ)

ラバト発

2026年07月09日

スウェーデンの高機能ポリマーソリューション大手トレルボルグ(Trelleborg)(注)は6月9日、カサブランカのヌアサー航空産業フリーゾーン「ミッドパーク(Midparc外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」内で、航空宇宙産業向けシーリングシステム(密封システム)を製造する新工場の開所式を開催した。式典にはリヤド・メズール産業・貿易相、フレデリカ・オルンブラント駐モロッコ・スウェーデン大使、ノアスール県知事のジャラル・ベンハユーン氏、ミッドパーク最高経営責任者(CEO)のハミド・ベンブラヒム・エル・アンダルッシ氏、モロッコ航空宇宙産業協会(GIMAS)会長のカリム・シェイク氏(Karim Cheikh)、トレルボルグCEOのピーター・ニルソン氏らが出席した。

今回の新工場設立は、2024年10月30日から11月2日に開催された「マラケシュ・エアショー2024」の期間中にモロッコ政府とトレルボルグが締結した覚書に基づくものである。投資額は約1億3,000万モロッコ・ディルハム(約22億円、1MAD=約17円)で、将来的に150~200人の雇用創出が見込まれる。同工場の稼働により、モロッコの航空宇宙産業のバリューチェーンに新たな価値をもたらすと期待されているほか、同社による現地航空関連企業からの調達拡大にも寄与するとみられている。

メズール産業・貿易相は、「本プロジェクトは、同産業の現地定着と世界の航空宇宙サプライチェーンへの統合を目指すモロッコの戦略と合致する」と述べた。さらに同相は、モロッコは欧州・中東・アフリカ(EMEA)地域における同グループの主要な活動拠点となる潜在力を有するとしており、航空宇宙のほか、鉄道、研究開発(R&D)、エンジニアリング、再生可能エネルギー、グリーン水素などの分野でも協力拡大の可能性があるとの見方を示した。

ミッドパークはモロッコを代表する航空宇宙産業集積地であり、フランスの大手航空機エンジンメーカーSafranなどが進出している(2025年10月17日記事参照)。同工場には先端材料研究ラボが設置されるほか、モロッコ航空宇宙訓練センター(IMA)と連携した人材育成が進められる予定である。

(注)1905年創業のスウェーデン企業。高機能ポリマーソリューション分野の世界的大手企業で、2025年の売上高は約340億スウェーデンクローナ(約31億ユーロ)、従業員数は約1万6,000人。40カ国以上で100カ所超の拠点を展開し、モロッコではミッドパークとケニトラに拠点を有する。航空宇宙、自動車、医療、産業分野向け製品を提供する。

(鈴木優香)

(スウェーデン、モロッコ)

ビジネス短信 d291631d48c318c6