韓国の李大統領、半導体投資拡大など3大メガプロジェクトを発表
(韓国)
ソウル発
2026年07月02日
韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は6月29日、「大韓民国の大飛躍3大メガプロジェクト国民報告会」を開催した。産業通商部や科学技術情報通信部などの関係省庁に加え、サムスン電子、SKグループ、HD現代ロボティクスなどの企業、ソウル大学、漢陽大学、成均館大学、韓国科学技術院などの学術界から約90人が参加した。報告会では、(1)半導体、(2)フィジカルAI(人工知能)、(3)AIデータセンターの3分野における大規模な投資計画とともに、電力・用水などインフラ拡充策について議論が行われた。
3大メガプロジェクトの主な内容は次のとおり。
(1)半導体:「3S+1F戦略」による代替不可能なK-半導体強国への大飛躍
- 「スピード戦(Speed)」:龍仁(ヨンイン)国家産業団地(サムスン電子)および一般産業団地(SKハイニックス)(注1)の最終ファブ完成時期をそれぞれ7年、12年短縮し、5年以内にメモリ生産能力を2倍に拡大する。
- 「拠点戦(Stronghold)」:西南圏(注2)に総額800兆ウォン(約84兆円、1ウォン=約0.105円)規模の半導体工場(注3)を建設するため、人材確保や許認可、用地確保などで官民が協力する。忠清圏に約81兆ウォンを投資し、HBMパッケージング拠点として育成するほか、東南圏と大慶圏(大邱広域市と慶尚北道に相当)は「素材・部品・装置革新拠点」として整備する。
- 「先導戦略(Spearhead)」:次世代メモリ、AI半導体、国防半導体などの支援に今後15年間で30兆ウォン以上の財源を投入する。
- 「総力支援体制(Full-Support)」:「半導体特別法」(2026年2月3日記事参照)に基づく半導体競争力強化特別委員会、半導体特別会計、半導体革新支援団(注4)などによる支援を行う。
(2)フィジカルAI:代替不可能な国家戦略産業として育成
- 製造業のAI転換を加速させるため、M.AXアライアンス(注5)を中心に業種別のロボットを開発し、毎年1,000台以上を現場に投入する。
- 現代自動車グループの投資を中心にセマングム地域にロボット工場と部品クラスターを造成し、大慶圏の自動車・家電部品企業の転換を技術面で支援する。
- 今後3年以内に世界最高水準の独自フィジカルAI基盤モデルを開発する。
(3)AIデータセンター:大規模施設の構築による成長基盤の確保
- SK、GS、ネイバーと協力し、第1段階として8.4ギガワット(GW)(SK:5GW、GS:2.4GW、ネイバー:1GW)規模のAIデータセンターを構築する。3社合計で約550兆ウォンを投資する。
また、各プロジェクトを推進するためのインフラ整備も行う。再生可能エネルギーや原子力発電を活用して電力供給体制を強化するとともに、多様な代替水資源を活用して用水を供給する。
李大統領は国民報告会において、「3大メガプロジェクトの成果が、今後20年、30年の大韓民国を担う」と韓国型AIエコシステム構築の重要性を強調するとともに、大統領府直属の担当官を設置し、プロジェクトを自ら統括すると考えを示した。
(注1)ソウル特別市南部の京畿道龍仁(ヨンイン)市において、サムスン電子は6基、SKハイニックスは4基の半導体工場を建設する計画。
(注2)全南光州統合特別市(7月1日に全羅南道と光州広域市が合併し発足)を指す。
(注3)サムスン電子が2基、SKハイニックスが2基のメモリ半導体工場を建設予定。
(注4)「3S+1F戦略」の履行、現場の課題に対応するための専任組織として、産業通商部内に設置。
(注5)製造業のAIトランスフォーメーション(AX)を推進する産学官の協議体、ロボット、AI、製造業など関連分野の約1,500機関が参画。
(橋爪直輝)
(韓国)
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