エマニュエル前駐日米大使、テルアビブ大学で「IMEC」推進と中東地域統合の必要性を提言
(米国、イスラエル、パレスチナ、中東、日本)
テルアビブ発
2026年07月13日
前駐日米国大使のラーム・エマニュエル氏は7月8日、イスラエルのテルアビブ大学で講演し、イスラエルの安全保障と経済発展の実現にはアラブ諸国との関係正常化と地域経済統合が不可欠との考えを示した。エマニュエル氏は、2028年米大統領選挙での民主党候補になる可能性がある人物の1人として名前が挙がっている(2026年2月27日記事参照)。
エマニュエル氏は、米国とイスラエルの同盟関係は「岐路に立っている」との認識を示し、現在の関係を維持するためには「大きな変化と新たな方向性」が必要だと述べた。また、従来の二国家解決に代わる構想として、イスラエル、パレスチナおよびアラブ連盟加盟21カ国による地域統合を目指す「23国家構想」を提唱した。
エマニュエル氏は、アラブ諸国がパレスチナ側に和平の当事者として責任を果たすよう求めるとともに、イスラエルの地とユダヤ人との歴史的なつながりを受け入れることができる統治機構を設立すべきだと主張した。あわせて、イスラエルに対してもヨルダン川西岸地区で和平合意の可能性を損なう一方的な措置を控えるよう求めた。
また、地域の安定と経済発展を結び付ける具体策として、「インド・中東・欧州経済回廊(IMEC)」構想の推進を提言した。同構想について、インドと欧州を鉄道、港湾、高速道路、光ファイバー、エネルギーネットワークで結ぶ構想で、物流コストを30%削減し、ホルムズ海峡を迂回する新たな物流ネットワークを構築しうるとの見通しを示した。これにより、イスラエルや湾岸諸国が新たなグローバルサプライチェーンにおいて不可欠な存在となり、地域の安定にも資すると述べた。
エマニュエル氏は、23国家構想とIMECの推進により、イスラエルが政治的・経済的に中東の一員として位置付けられるようになると述べるとともに、イスラエルが「世界で最も重要な経済回廊の技術的な背骨」となる可能性を示した。
イスラエルの軍事衝突の関連情報は、イスラエルとハマスの衝突の特集、イスラエル・米国とイランの衝突を巡る中東情勢関連情報を参照。
(中溝丘)
(米国、イスラエル、パレスチナ、中東、日本)
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