USMCAやサンルイスポトシ州の投資環境を解説、大阪でセミナー開催

(日本、メキシコ)

大阪本部海外ビジネス推進課

2026年07月29日

大阪商工会議所、サンルイスポトシ州日本事務所、日本自動車部品工業会(JAPIA)、ジェトロは7月21日、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の共同見直し(2026年2月20日付地域・分析レポート参照)などを踏まえ、メキシコ全体とサンルイスポトシ州の投資機会を解説するセミナーを大阪市内で開催した。

セミナー冒頭では、在日メキシコ大使館のセルヒオ・シエラ・ベルナル経済担当公使が、メキシコのマクロ経済状況と経済・産業政策、投資優遇制度、自動車産業の概況、日本との経済関係に関する説明を行った。2025年の日本・メキシコ間の貿易総額は約210億ドル、日本の対メキシコ投資は22億9,300万ドルを記録し、進出日系企業の拠点数は1,600拠点以上に上っているとし、「これは日本によるメキシコへの信頼の証し」だと評した。

ジェトロ調査部米州課の中畑貴雄主幹は、USMCAの概要と自動車分野の原産地規則、今後の見通しなどについて解説した。2026年7月1日のUSMCAの見直しにおいて米国が延長に反対した結果、毎年交渉を継続するかたちになった(2026年7月2日記事参照)が、最大10年間となる交渉の継続中は現行規定が引き続き有効であるため「まずは現行の原産地規則を理解することが重要」と強調した。今後の見通しについては、米国の政権交代の可能性を考慮すると、いずれ延長合意に至る可能性が高いと指摘した。

写真 メキシコの投資環境について紹介するサンルイスポトシ州自動車工業会のアルベルト・ロサレス会長(ジェトロ撮影)

メキシコの投資環境について紹介するサンルイスポトシ州自動車工業会のアルベルト・ロサレス会長(ジェトロ撮影)

後半では、メキシコ中部バヒオ地域の自動車産業とサプライチェーン、同地域にあるサンルイスポトシ州の投資環境に関する講演(注1)があった。加えて、同州に進出している日系企業2社が、メキシコでの事業や投資環境などを紹介した。

京都府京丹後市に本社を構える自動車部品、工作機械・ツールの生産や医療機器開発などを手掛ける日進製作所グループは2012年10月にサンルイスポトシ州に進出し、エンジンやトランスミッションなどの部品を製造している。同社の平野卓代表取締役会長は、同州への進出の決め手になったのは、立地や投資インセンティブに加え、良好な治安状況やインフラ整備の進展によって駐在員が安心して生活できる環境が整っている点だと指摘した。

ダイキン工業の在メキシコ空調機器製造拠点であるダイキン・マニュファクチャリング・メキシコの岡田聡総務部長は、同州への進出にあたり、まず州の経済開発局とインセンティブパッケージ基本合意書を締結したことを紹介した。これにより、給与税(注2)の免税のほか、従業員の採用・研修、電力調達、日本人出向者の労働許可の取得などに対する支援を受けることができ、計画どおりに操業することができたと語った。

本セミナーは対面・オンラインの合計で210人以上の申し込みがあった。自動車産業などの製造業向けに工場用安全管理機器の輸出営業を強化したい関西企業などが参加していたほか、関西地域以外からも参加があり、メキシコの投資環境や自動車産業に対する関心の高さがうかがえた。

(注1)サンルイスポトシ州自動車工業会のアルベルト・ロサレス会長、ルイス・アルベルト・ゴンザレス事務局長、およびサンルイスポトシ州日本事務所のロドルフォ・ゴンザレス代表が講演した。

(注2)従業員に支払う給与などの総額(ペイロール)に一定税率を掛けて算出される州税で、雇用主が負担する。サンルイスポトシ州の税率は3%。

(齋藤寛)

(日本、メキシコ)

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