米追加関税措置への対応で、輸出企業向け低利子融資を再導入
(ブラジル、米国)
サンパウロ発
2026年07月27日
ブラジル政府は7月22日、米国によるブラジル産品への25%の追加関税措置(2026年7月21日記事参照)への対応として、輸出企業支援を目的とする大統領暫定措置令(MP)第1,379号および法律第15,473号を公布し、同日施行した。これにより、輸出企業向け低利融資制度「ブラジル・ソベラーノ」が再導入された。申請手続きや融資条件などの詳細は今後定められる予定だ。
同制度は2025年8月に創設され、主に米国の国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく関税措置の影響を受けた輸出企業を対象としていたもので、同年12月に終了した(2026年1月26日付地域・分析レポート参照)。その後、米連邦最高裁判所は2026年2月、IEEPAに基づいて大統領が関税を課す権限はないとの判断を示した(2026年2月24日記事参照)。しかし、ブラジル政府は米国向け輸出への影響が引き続き懸念されるとして、同年3月に同様の低利融資制度(注1)を導入した。対象は、米国向け輸出企業に加え、中東情勢の悪化による影響を受けた輸出企業や、レアアースなど戦略分野の企業に拡大された。適用期限は7月22日だった。
今回再導入された制度の対象も、米国向け輸出企業(注2)のほか、中東情勢の悪化により影響を受けた輸出企業、肥料や重要鉱物など戦略分野の関連企業となる。本融資制度にかかる予算規模は185億レアル(約5,960億円、1レアル=約32.2円)を見込む(注3)。マルシオ・エリアス・ホーザ開発商工サービス相の記者会見によると、このうち135億レアルは2025年8月に導入された同制度で未使用だった予算を活用し、残る50億レアルはブラジル国立経済社会開発銀行(BNDES)の自己資金を充てるため、新たな財政負担は生じないという。
全国工業連盟(CNI)は7月22日付の声明で、低利融資制度の再導入を歓迎すると表明した。また、ブラジル機械工業会(ABIMAQ)のジョゼ・ベローゾ会長も、7月23日付現地紙「エスタード」のインタビューで歓迎の意向を示した。一方、ブラジル履物産業協会(Abicalçados)のアロルド・フェレイラ会長は7月23日付の同協会ウェブサイトで、「今回の措置は重要であり、業界を支える効果が期待されるものの、単独で履物産業を救うには十分ではない」との見解を示した。
(注1)2025年の制度では雇用維持が融資実施の条件だったが、2026年3月に導入された制度では同条件は撤廃された。
(注2)米国の1962年通商拡大法232条に基づく鉄鋼・アルミニウム製品への追加関税措置(50%)および、1974年通商法301条に基づく特定のブラジル原産品への追加関税措置(25%)の影響を受けた企業。
(注3)2025年8月に導入された制度の予算規模は400億レアル、2026年3月に導入された制度の予算規模は210億レアルだった。
(エルナニ・オダ)
(ブラジル、米国)
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