ハノイ市、マスタープラン「100年ビジョン」を公表
(ベトナム)
ハノイ発
2026年07月13日
ハノイ市人民委員会は6月29日、ベトナム国立会議場において「ハノイ首都マスタープラン(100年ビジョン)の公表および2026年投資促進会議」を開催した。会議にはチャン・タイン・マン国会議長、チャン・ドゥック・タン・ハノイ市党委書記、ファム・ザー・トゥック政府常任副首相、ブー・ダイ・タン・ハノイ市人民委員長のほか、各国大使、外国企業、ベトナム政府・企業関係者ら約1,200人が参加した。
ハノイ市が発表したマスタープラン「100年ビジョン」は、首都を国家の中核から地域ハブ、さらに国際競争力を備えたグローバル都市へと発展させることを目指す長期構想で、2035年までに金融・商業・イノベーションの地域拠点を形成し、GRDP(地域総生産)を2,000億ドル、1人当たりGRDPを1万8,800ドル超とすることを目標に掲げる。さらに2045年までに世界的なイノベーション拠点としてGRDPを6,400億ドル、1人当たりGRDPを4万2,000ドル以上へ引き上げ、2065年までに高い生活の質と幸福度を備えた世界水準のグローバル都市としてGRDPを1兆9,200億ドル、1人当たりGRDPを9万5,000ドル超とすることを目指している。その先の2085年以降には、アジア太平洋および世界の都市ネットワークにおいて大きな影響力を有する持続可能な都市となる将来像を掲げる。
具体的には、都心部への一極集中から多極・多中心型の都市構造への転換、公共交通拠点を中心に、住宅・オフィス・商業施設・公共施設などを集中的に整備する公共交通指向型開発(TOD)の推進、ハイテク・イノベーション産業の育成を柱とし、知識、技術、資本が集積する都市を目指す。また、グリーン成長や行政改革を通じて投資環境を改善し、ベトナム全体の持続的成長を牽引する役割を担うとしている。
タン人民委員長は、「この計画は単なる都市開発計画ではなく、ハノイを知識、技術、資本、イノベーションが集積する国際都市へ発展させるためのビジョン」であると説明。会議では高付加価値、ハイテク、グリーン分野のプロジェクトを重点的に誘致する方針が示された。あわせて、行政手続きの迅速化やデジタル化を進め、投資環境をさらに改善する考えを示した。マン国会議長は、本計画を第14回党大会決議(2026年2月2日記事参照)および第18回ハノイ市党大会決議の具体化と位置付け、「透明性が高く予見可能なビジネス環境の整備を進める」と強調した。
外国経済団体を代表して登壇したジェトロ・ハノイ事務所の小篠春彦所長は、日系企業とベトナム・スタートアップの連携、日系企業による現地調達拡大、日本でのベトナム高度人材活用に関するジェトロの取り組みを紹介するとともに、ハノイ市に対し、内外資企業の連携促進と投資環境のさらなる向上への期待を表明。会議ではこのほか、住友商事がスマートシティー開発、サムスンが人材育成、米半導体大手のNVIDIAが人工知能(AI)分野の研究開発強化、ベトナム投資開発銀行(BIDV)が金融支援拡大について発表した。
イベントの様子(ジェトロ撮影)
(吉田薫)
(ベトナム)
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