第14回ベトナム共産党大会、ラム書記長の続投が決定

(ベトナム)

ハノイ発

2026年02月02日

ベトナム共産党は1月19日から23日までの間、ハノイ市内の国家会議場で第14回共産党全国代表者大会を開催し、第14期党指導部の人事決定を行った。併せて、第13期(2021~2025年)決議の実施評価と今後の党および国家の方針決定をした。全国の党員560万人を代表して、過去最多の1,586人が出席した。

党の人事は、まず中央執行委員200人(補欠20人を含む)が選出され、うち女性は21人だった。今回選出された新たな中央執行委員によって、政治局員(注1)をはじめ、書記長、書記局員、中央検査委員が選出された。

政治局には、19人が選出された。そのうち再任は10人、新任は9人だった(添付資料表参照)。書記長には、トー・ラム書記長が再任された。ラム書記長は1957年、北部フンイエン省生まれ。公安でキャリアを築き、2024年5~8月の3カ月間、国家主席を務めたのち、書記長に就任した(2024年8月9日記事参照)。外交面では、従来どおりの全方位外交を継続し、米国や中国、日本など、各国との友好関係のバランスを維持するとともに、内政面では、2045年の高所得国入り実現のための経済成長の加速に向け、行政再編をはじめとする構造改革を推進してきた。

国家主席、首相、国会議長をはじめとする要職は、次期国会で正式決定する。現任の要職者のうち、ルオン・クオン国家主席やファム・ミン・チン首相らは政治局員から外れたため、退任となる見通しだ。

一部の海外メディアは、これまでの集団指導体制(注2)を踏襲せず、ラム書記長が国家主席職を兼任する可能性にも言及している。

経済成長の加速を目指す方向性は継続

現地報道によると、党大会では、2026~2030年の経済成長を年率10%以上とし、2030年までに1人当たりGDPを8,500ドルに引き上げる目標を発表し、経済成長を重視する方針をあらためて示した。党大会終了後の記者会見で、ラム書記長は、10%成長に向けて科学技術やイノベーションを原動力とした経済成長モデルを構築する必要性を述べた(「VNエクスプレス」1月23日)。2025年に共産党政治局決議を通じて示した、イノベーション推進や民間企業振興の政策(2025年9月1日付地域・分析レポート参照)は継続していくものとみられる。今後は、党大会の決議を踏まえた新たな政策や法整備などの具体化の動向を注視していく必要がある。

(注1)政治局員は、中央委員から選出される党の要職。政治局は、党大会や中央委員会の決議の実現を指導・監督し、党の活動方針や人事を実質的に決定する。

(注2)ベトナムは、5ポスト(書記長、国家主席、首相、国会議長、書記局常務)を最高指導部とする集団指導体制をとっている。なお、実質的に党内序列5位だった書記局常務は、2025年9月に新たに最高指導部に加えられた。

(萩原遼太朗)

(ベトナム)

ビジネス短信 c9acebc3428ceb47