米製薬大手アッヴィ、約109億ドルの買収を通じ免疫・炎症領域を強化

(米国)

シカゴ発

2026年07月03日

米国の製薬大手アッヴィ(本社:イリノイ州ノースシカゴ市)は622日、米バイオテクノロジー企業アポジー・セラピューティクス(本社:マサチューセッツ州ウォルサム市)を約109億ドルで買収することで合意したと発表した。アポジーの株主には、1株当たり135.11ドルの現金が支払われる。アポジーは炎症性疾患を対象とした長時間作用型の抗体医薬を開発しており、同社のパイプライン(新薬候補)は臨床段階にある。今回の買収によって、アッヴィのパイプラインの強化が図られる。

アッヴィは免疫・炎症領域を重点領域と位置づけており、複数の製品を展開している。一方で、主力製品ヒュミラ(一般名:アダリムマブ)は特許保護の終了に伴うバイオシミラー(注)の参入により売り上げが減少しており、同領域における次世代製品の開発を進めている。同社は近年、パイプライン強化を目的にMAを積極化しており、過去5年の主な買収実績は次のとおり。

  • 2021年:テネオワン(最大約65,000万ドル)-腫瘍領域
  • 2022年:シンデシ・セラピューティクス(最大約10億ドル)-神経領域
  • 2022年:DJSアンチボディーズ(約26,000万ドル)-免疫領域
  • 2023年:ミトキニン(最大約66,000万ドル)-神経領域
  • 2024年:セレベル・セラピューティクス(約87億ドル)-神経領域
  • 2024年:イミュノジェン(約101億ドル)-腫瘍領域
  • 2024年:アリアダ・セラピューティクス(約14億ドル)-神経領域

また、同社は20262月、ノースシカゴ拠点において医薬品有効成分(API)製造施設2棟を新設し、約38,000万ドルを投じる計画を発表した。同施設はAI(人工知能)および先端製造技術を活用し、製造効率の向上などを図るとしている(2026年2月27日記事参照)。同社は2025年にも、同拠点で約19,500万ドルを投じたAPI製造施設の拡張計画を発表している。

創薬から製造までのバリューチェーン全体の強化を図るため、医薬品パイプライン確保という研究開発強化と、API製造投資による生産体制の強化を目指すものといえる。

(注)バイオシミラーとは、先行のバイオ医薬品と同等の有効性・安全性が確認された後発医薬品。化学合成薬の後発品であるジェネリック医薬品とは異なり、有効成分は完全に同一ではなく高度に類似したもの。

(坂井愛子)

(米国)

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