米製薬大手、イリノイ州での製造施設新設に3億8,000万ドルの投資

(米国)

シカゴ発

2026年02月27日

米国イリノイ州のJ.B.プリツカー知事(民主党)、州商務経済機会局(DCEO)およびイリノイ州経済開発公社(Illinois EDC)は2月22日、大手製薬会社のアッヴィがノースシカゴ市の拠点(注)に医薬品有効成分(API)製造施設2棟を新設し、総額3億8,000万ドルを投資、300人の新規雇用を創出すると発表した。施設の着工は2026年春で、両施設とも2029年に完全稼働する見込み。

新施設では人工知能(AI)と先進製造技術を統合し、同社の神経科学領域医薬品および肥満治療薬の生産を支える。アッヴィは過去6カ月でノースシカゴ拠点への計5億7,500万ドルの投資計画を発表しており、これには2025年9月に発表した1億9,500万ドルのAPI製造施設の建設も含まれる。

プリツカー知事は、今回の投資がバイオ製造分野における同州の国際的地位を強化し、雇用創出と研究開発の推進につながると強調した。同州は「イリノイ州経済成長計画(2024年)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」に基づき、ライフサイエンスや先端製造業を重点産業として支援しており、アッヴィの拡張はその一環となる。

アッヴィのロバート・A・マイケル最高経営責任者(CEO)は、今回の投資について「今後10年間で米国に1,000億ドルを投じるという当社の公約の一部」とし、「米国における製造能力を強化することで、当社のイノベーション投資を支える体制が整い、次世代の医薬品を患者に届ける能力を一層高めることができる」と述べた。同社はこれまでに米国でのAPI製造能力と生産量の大幅な拡大計画を発表しており、これによって神経科学、免疫、腫瘍分野の特定製品向けAPI生産を欧州・アジアから米国へ回帰させることが可能になるとしている。米国では医薬品サプライチェーンにおける中国製APIへの依存度が大きいといわれており、医薬品安全保障の点からも国内でのAPIでの生産が重要となっている。

(注)DCEOによると、イリノイ州には、アボット、アッヴィ、ホスピラ、そのほか多くの大手バイオ医薬品メーカーのグローバル本社があり、特にレイク郡は、全米で3番目、中西部では最もライフサイエンス企業の集中度が高い地域とされる。

(星野香織)

(米国)

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