301条関税12.5%の対象品目、対米輸出の約3分の1
(シンガポール、米国)
シンガポール発
2026年07月29日
シンガポール貿易産業省(MTI)は7月24日、米国の1974年通商法301条に基づき課される関税12.5%の対象品目が、対米輸出の約3分の1に相当すると明らかにした(品目数ベース)。残りの品目については対象外となる。今回の追加関税は、米国東部時間の24日午前0時1分から適用となった。
米国通商代表部(USTR)は7月23日、通商法301条に基づく強制労働産品の輸入を阻止するための対策不足を理由に、シンガポールや日本など60カ国・地域からの輸入に対して10.0~12.5%の追加関税を課すと発表した(2026年7月24日記事参照)。ただ、1962年通商拡大法232条に基づく追加関税の品目に加え、エネルギー関連製品、医薬品と医薬品原料、特定の電子機器や一部の航空関連製品、半導体などについては、今回の追加関税の対象からは除外となる。
MTIは7月24日付の声明で、「シンガポールは強制労働を容認しておらず、国内には不法行為に対して包括的な取り締まりの枠組みがあり、実績もある」と主張した。その上で、複雑な国際サプライチェーンにおける強制労働は国境を越えた課題であり、解決には「国際的な協力と発生源での対応が最も効果的だ」と述べた。今後も引き続きUSTRと、協議を継続していく方針を示した。
また、ビビアン・バラクリシュナン外相は7月23日、フィリピン・マニラで開催されたASEAN関連の外相会議後の会見で、マルコ・ルビオ米国務長官に対し、「米国はシンガポールに対し貿易黒字であり、その額が拡大している。このため、シンガポールに関税を課す技術的、経済的根拠がない」と伝えたと説明した。その上で、「シンガポールが米国の標的では全くない」と理解を得られるよう働きかけていると述べた。
このほか、シンガポールや日本を含む16カ国・地域は現在、USTRによる通商法301条に基づく製造業の過剰生産能力を巡る調査の対象となっている(2026年3月12日記事参照)。調査結果次第では、今回の12.5%の関税に加え、さらに上乗せ関税を課されるリスクもある。
(本田智津絵)
(シンガポール、米国)
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