世界銀行、原油高でラオス経済の成長率鈍化を予測
(ラオス、中東)
ビエンチャン発
2026年07月17日
世界銀行は7月8日、ラオスの経済分析レポート「ラオ・エコノミックモニター
」を発表した。ラオス経済は2025年に実質GDP成長率4.8%(注1)を達成し、観光業や運輸サービス、電力輸出、資源分野への投資拡大などを背景に、通貨安と高インフレが続いた数年間から回復の兆しを見せた。しかし、2026年は中東情勢の緊迫化に伴う原油価格高騰の影響を受け、成長率は3.8%へ減速すると予測している。
2026年第1四半期の実質GDP成長率は前年同期比5.5%で、卸売り・小売りなどサービス業が5.8%増と成長を牽引した。一方、原油価格上昇に伴う燃料価格急騰で輸送・物流コストや企業の生産コストが上昇し、家計の購買力や企業収益を圧迫している。農業分野では燃料・肥料価格の上昇、観光業でも世界需要の減速や輸送費上昇を背景に、成長鈍化の兆しがみられる。
物価面では、平均インフレ率が2024年の23.1%から2025年には7.7%へ大幅に低下したものの、2026年は再び上昇に転じた。4月のインフレ率は原油価格高騰の影響で10.2%に達し、域内(注2)でも高い水準となった。世界銀行は、燃料輸入への依存度の高さに加え、財政や外貨準備など外部ショックへの対応余力が限られていることを要因に挙げ、2026年の平均インフレ率を9.4%と見込む。
財政面では、税収増加を背景に2025年はGDP比1.9%の財政黒字を維持したが、2026年は燃料物品税の減税やGDP比3.2%に相当する公的債務への利払い負担を受け、同1.0%へ縮小する見込みだ。経常収支黒字も、燃料輸入や利払い、利益送金の拡大などを受け、2025年のGDP比12.0%から2026年には6.2%へ縮小すると予測している。
世界銀行は、中東情勢の長期化による原油価格や海上輸送コストの上昇、主要貿易相手国の成長鈍化、世界的な金融引き締めによる債務借り換えの困難化などを下振れリスクに挙げた。一方、構造改革や債務再編の進展、原油価格の安定化は経済を下支えする可能性があるほか、高止まりする燃料価格が水力発電を中心とした再生可能エネルギーへの域内需要を押し上げる可能性があると指摘した。
(注1)世界銀行が2025年末時点で示していた経済成長見通し(4.2%)を0.6ポイント上回った(2025年12月19日記事参照)。
(注2)ここでは、東アジア・大洋州地域の開発途上諸国を指す。カンボジア、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、タイ、ベトナム、ブルネイ、東ティモール、中国、モンゴルのほかに、フィジー、キリバスなどの太平洋島しょ国を含む。
(山田健一郎)
(ラオス、中東)
ビジネス短信 6d7b8d2099827767





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