ブラジル、電動車向け輸入部品に関税割当を再導入

(ブラジル)

サンパウロ発

2026年07月14日

開発商工サービス省(MDIC)傘下のブラジル貿易審議会(CAMEX、注)は6月23日、電動車〔バッテリー式電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、ハイブリッド車(HEV)〕のコンプリートノックダウン(CKD)およびセミノックダウン(SKD)用輸入部品を対象とした関税割当制度の再導入を決定した。これを定めた決議第927号は、6月30日付官報に掲載され、同日付で施行された。

割当枠内の輸入については、輸入関税が免除される。割当上限額は、BEV向けCKD・SKD部品が9,750万ドル、PHEV向けが2億8,100万ドル、HEV向けが8,450万ドルで総額4億6,300万ドル。これは前回の割当(2025年8月1日~2026年1月31日に実施)と同水準だ(2025年8月5日記事参照)。割当枠を超える輸入分については、SKDは35%、CKDは14%の輸入関税が課される。完成車(CBU)は割当の対象外となる。今回の制度の適用期間は2026年7月1日から同年12月31日まで。

全国自動車製造業者協会(Anfavea)は6月23日付プレスリリースで、「近年、ブラジルでは電動化が急速に進展している。自動車メーカーは2033年までに1,400億レアル(約4兆4,240億円、1レアル=約31.6円)の投資を計画しており、その多くは電動化技術の導入に加え、研究開発、エンジニアリング、生産設備の近代化、サプライチェーン強化などに充てられる予定だ」と説明した。その上で、「新技術導入の初期段階では輸入関税上の優遇措置が重要な役割を果たす可能性がある一方、既に投資計画が公表され、現地生産の拡大が進む状況で輸入部品に依存する企業への優遇措置を拡大することは、自動車産業の発展に向けた投資インセンティブを損なう恐れがある」として、今回の決定に反対する姿勢を示した。

Anfaveaのイゴール・カルベ会長は、現地紙「バロール」(6月23日付)のインタビューで、反対意見を表明する機会が政府から十分に与えられなかったとして、司法措置を検討していると述べた。しかしその後、7月7日の記者会見で同会長は、「訴訟となれば解決までに長期間を要し、数年に及ぶ可能性がある。今回の措置は適用期間が6カ月に限られるため、訴訟は有効な手段ではない」と説明し、提訴を見送る考えを示した。カルベ会長は、割当審議の過程で関税変更委員会(CAT)の議題が事前に公表されず、十分な議論の機会が設けられなかったとして、CAMEXのガバナンス改善を求め、連邦会計検査院付属検察(MPTCU)への申し立てを準備していると述べた。

(注)CAMEXは、ブラジルの関税率を決定する権限を有する。

(エルナニ・オダ)

(ブラジル)

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