ブラジルの上半期貿易黒字、前年同期比40.3%増加

(ブラジル、米国、中国、韓国)

サンパウロ発

2026年07月15日

ブラジル開発商工サービス省(MDIC)は7月3日、2026年上半期(1~6月)の貿易収支(通関ベース)を発表した。輸出額(FOBベース)は前年同期比11.5%増の1,847億7,283万4,258ドル、輸入額(FOBベース)は5.1%増の1,424億1,537万4,268ドルだった(添付資料表1参照)。貿易黒字は40.3%増の423億5,745万9,990ドルだった。MDICは2026年通年の見通しについて、輸出額を3,944億ドル(前年比13.2%増)、輸入額を3,044億ドル(同8.6%増)、貿易黒字を900億ドル(同32.3%増)と予測している。

品目別の輸出額をみると、大豆(構成比15.8%)は前年同期比14.9%増加した(添付資料表2参照)。原油・粗油(構成比15.1%、28.9%増)、鉄鉱石(構成比7.3%、5.2%増)、牛肉(構成比4.9%、38.5%増)も増加した。サンパウロ大学応用経済研究所(CEPEA)は、大豆輸出の増加要因として、対レアルでのドル高を背景にした、国際需要の拡大を挙げている(7月6日付同研究所ウェブサイト)。また、インテル銀行のエコノミスト、アンドレ・バレリオ氏は現地紙「バロール」(7月5日付)の中で、原油・粗油の輸出増加について、中東情勢の悪化に伴う国際原油価格の上昇が影響したと説明している。

輸出額を国・地域別にみると(添付資料表1参照)、最大の輸出相手国である中国(構成比31.6%)向けが前年同期比21.9%増加した。一方、米国(構成比9.4%)向けは13.0%減、アルゼンチン(構成比4.0%)向けは19.4%減少した。米国向け輸出の構成比は、現行方式で統計を集計し始めた1997年以降、上半期として過去最低水準となった。ブラジル米国商工会議所(Amcham)のアブラン・ネト会頭は同所ウェブサイト(7月7日付)で、「上半期の結果は、2国間貿易が強い圧力にさらされていることを示している。通商法301条に基づく調査に伴う追加関税措置(注1)を回避するための合意の必要性があらためて浮き彫りになった。追加関税が実施されれば、ブラジルと米国の貿易はさらに深刻な影響を受ける可能性がある」と述べた。

品目別の輸入額をみると、乗用車(構成比5.5%)が前年同期比89.1%増と大きく伸びた。インテル銀行のバレリオ氏は「バロール」(7月6日付)で、その背景として電動車(注2)に対する輸入関税減免・免税措置の段階的廃止を指摘している。ブラジルでは電動車に対する輸入関税減免・免税措置が講じられていたが、2024年1月1日から2026年7月1日にかけて段階的に廃止されることが決定されている(2023年12月5日記事参照)。同氏によると、関税率の引き上げ前に、特に中国電動車メーカーが大量の車両を前倒しで輸入したことが輸入増加につながったという。

輸入額を国・地域別にみると、韓国(構成比4.2%)からの輸入額は前年同期比約2.3倍と大幅に増加した。韓国からの輸入品目では、浮体式生産貯蔵積み出し設備(FPSO)が最大で、次いで集積回路が続いた。国営石油会社ペトロブラスがサントス堆積盆地プレソルト層のブジオス鉱区に設置するFPSO「P-79」は韓国で建造され、2026年2月に同鉱区に到着しており、これが韓国からの輸入額を押し上げたとみられる。また、ロイター(6月30日付)によると、集積回路については人工知能(AI)の普及を背景に韓国製品の輸出が増加傾向にあるという。

(注1)米国通商代表部(USTR)は6月1日、ブラジルの不公正な貿易慣行に関する1974年通商法第301条に基づく調査結果を公表し、ブラジルからの輸入品に対して原則25%の追加関税を課すことが適切と提言した。米国の法定手続きに基づき、措置は7月15日までに発効すると見込まれている(2026年6月4日記事参照)。

(注2)電動車とは、バッテリー式電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、ハイブリッド車(HEV)の総称。MDICの貿易統計(Comex Stat)によると、2026年上半期の乗用自動車輸入額のうち、PHEVが38.8%、BEVが27.0%、HEVが12.7%を占め、電動車の割合は合計78.4%となった。

(エルナニ・オダ)

(ブラジル、米国、中国、韓国)

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