米FDA、医薬品製造施設の登録制度見直し案を公表
(米国)
ニューヨーク発
2026年07月15日
米国食品医薬品局(FDA)は7月10日、医薬品の製造事業者および販売業者に対する登録手続きを変更する規則案を公表
した。7月13日に官報
でも公示した。本規則案は、米国で流通する医薬品および原薬(API)を製造する外国企業を含む製薬企業を対象としており、FDAは9月11日までパブリックコメントを受け付ける。
本規則案には大きく2つの目的がある。1つは、製造拠点登録の簡素化だ。現在、米国向けに医薬品を製造する企業は、品質管理の中核拠点の下で複数の製造拠点を運営している場合でも、各製造拠点を個別に登録する必要がある。本規則案では、全ての製造拠点を1つの事業所として登録することが可能になるため、企業にとっては手続きに要する時間や費用を削減できるメリットがある。具体的には、登録情報の更新手続きを通じて、製造拠点の追加、移転、削除が可能となる。なお本規則案では、初めてFDAに製造施設を登録する場合、米国内の製造拠点が医薬品の製造を開始した5日以内、または医薬品が米国に輸入される前のいずれか早い方までに登録を行わなければならないとしている。
もう1つの目的は、2022年に成立した「パンデミック防止法(PREVENT Pandemics Act)」に基づく、医薬品製造施設および医薬品の登録に関する規制の明確化だ。連邦食品医薬品化粧品法は、米国に輸入される医薬品やAPIなどを製造する外国の製造施設に対し、FDAへの施設登録および当該医薬品の登録を義務付けている。一方、米国外向けのみに医薬品を販売する場合、FDAへの登録は必要ない。だが本規則案では、医薬品が別の外国施設で追加加工され、最終的に米国市場に流通する場合、FDAへの登録を義務付ける。本規則に基づくFDAへの登録および医薬品リスト登録に伴い、FDAおよび企業に発生する年間純コストは、年間で48万2,472~66万4,495ドルと推定されている。
本規則案は、医薬品不足の防止を目的とする、米国内の医薬品製造力強化およびサプライチェーンの透明性向上を図るFDAの取り組みの一環に位置付けられる。米国では、医薬品サプライチェーンの中国への過度な依存に対する懸念が高まっている(2026年3月26日記事参照)。米国薬局方(USP)によると、米国で使用されるAPIに含まれる主要有効成分(KSM)の41%は中国から調達されている。また、米国は後発医薬品(ジェネリック)の供給をインドに大きく依存しているが、インドのジェネリック医薬品の製造に用いられる主要なAPIの多くは中国から調達されている。中国への依存度が最も高いのは上流の製造工程であり、本規則案は当該分野の監視強化を図る内容となっている。
(大垣ジャスミン)
(米国)
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